コミー様に学ぶ『コミーは物語をつくる会社です。』

2021.09.16 Inner Branding Case

人事や人材育成に携わるご担当者様は、離職率、メンタルヘルス疾患率を低減させ、社員にやりがいや働き甲斐をもってイキイキと働いてほしい、そのために、
・心理的安全性のある職場風土はどのようにつくるのだろうか
・一体感のある組織にするにはどうしたらよいだろうか
・風通しのよい組織にするにはどうしたらよいだろうか
・社員一人ひとりが考え動ける組織にするにはどうしたらよいだろうか
・社員が自発的に学習する組織風土をつくるにはどうしたらよいだろうか
という問題意識のもと、取り組まれているのではないでしょうか。

そこで本コラムでは、理念や方針を、社員一人ひとりのやりがいや働き甲斐につなげ、お客様はもちろんのこと、地域や業界に対して高い貢献をされている企業の具体的な取り組みを、書籍などをもとにご紹介しております。

今回ご紹介するのは、JRの券売機、銀行のATM、エレベーターの小さなミラー―—そこに「Komy」の文字を見かけたことはないでしょうか。そして、スーパーやコンビニ、路地など町中のいたるところにあり、暮らしの安全に貢献している防犯用ミラー。これらのミラーは、埼玉県の小さな会社コミー株式会社(以下コミーさん)の製品です。そして防犯用ミラー市場は、ほぼコミーさんが占有しています。

ではどのようにして、小さな会社がシェアトップになり、さらに発展しているのでしょうか。
コミーさんでは、社員一人ひとりが問題意識をもって仕事に取り組むことを奨励し、日々改善のネタを探し取り組まれています。そして、その取り組みを記録し「コミー物語」として公開されています。

その物語は「社史」として発行され、とても話題になりました。現在は、ウェブサイトで見られるコンテンツに進化しています。


ではここで、「コミー物語」がどのようなものか、小宮山社長のメッセージを引用し紹介します。

はじめに
コミーは、2013年4月で設立40周年。私も70歳を過ぎた。
考えてみれば私と小山さんが看板業を始めてから、おかげさまでほとんどストレスのない、マイペースの良い人生を歩いてくることができた。
半年ほど前、顧問の西山裕さんから「40周年で何をしますか?」と持ちかけられた。これを機に、コミーが今までにつくった物語を一冊にできないだろうかと考えた。

この世界にあるすべてのものには、それぞれ物語が存在する。コミーの小さな仕事の中にも、さまざまな物語がある。人は経験したことをどんどん忘れていき、自分の都合の良いように書き換えてしまうこともあるが、活字として残していけば、時間がたっても忘れることはない。また、それを読んだ人に経験を伝え、仕事に役立ててもらうこともできる。だから社員たちには、ある程度仕事の見通しがつくと「この物語をつくってくれ」と話し、小冊子にしていろいろな人に配った。気が付くと、物語の数は20を超えている。

会社の物語の本というと、昔お世話になったエーワンの新井義明社長(当時)の『エーワンの40年~商いは信頼得れば春が来る』が本棚にある。そこには社長の思いのたけが本音で書かれていた。本棚にあれば数十年後でもすぐ取り出せる。コミーも40年を機に、これまでの物語をまとめた本をつくりたくなった。本のタイトルは「コミーは物語をつくる会社です。」に決めた。

昔、「松下電器は何をつくっている会社ですか?」と聞かれ、経営の神様・松下幸之助は「うちは人をつくっている会社です」と答えたそうだ。吉田茂は「総理、あなたはいつも何を食べていますか?」と聞かれ、「人を喰っている」と答えたという。

コミーの物語が一冊の本になった。これで、「コミーさんは何をつくっている会社ですか?」と聞かれたら、偉大な二人を真似て「物語をつくっている会社です」と、堂々と答えられられるようになると思う。
小宮山栄

「社員は物語をつくっている」-このように考えると、今日の仕事1つとっても、そこで起こった出来事や展開に「昨日と同じ」ということはなく、その中には、そこで考えたこと、工夫したこと、人との関わり、などたくさんの物語があるはずです。仮に「平凡な日常」と感じられていたとしても、そこには小さな物語が生まれては消えているのではないでしょうか。

日々の出来事を、記録ににしていくことで、社員一人ひとりにとっては、経験になりキャリアになり、そして、組織としては「物語」になります。

特筆すべきことは、コミーさんの取り組みは、様々な組織の事例をもとに、どのように取り組むことが自社の改善につながるのか、その具体的な着眼点に溢れていることです。社員一人ひとりが考え、動く風土づくりの参考になることうけあいです。ご覧になってみてはいかがでしょうか。
【コミーさんの取り組みに関連するサイト情報】
コミーメディア掲載実績
「コミーの「40年史」は、とにかく面白い!~社史には社風があらわれる」
神奈川県立川崎図書館 司書 高田高史 文 東洋経済掲載 2015/05/02

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