実身美様に学ぶ社員を内側から強くする『養生ごはん』

2021.10.01 Inner Branding Case

人事や人材育成に携わるご担当者様は、離職率、メンタルヘルス疾患率を低減させ、社員にやりがいや働き甲斐をもってイキイキと働いてほしい、そのために、
・心理的安全性のある職場風土はどのようにつくるのだろうか
・一体感のある組織にするにはどうしたらよいだろうか
・風通しのよい組織にするにはどうしたらよいだろうか
・社員一人ひとりが考え動ける組織にするにはどうしたらよいだろうか
・社員が自発的に学習する組織風土をつくるにはどうしたらよいだろうか
という問題意識のもと、取り組まれているのではないでしょうか。

そこで本コラムでは、理念や方針を、社員一人ひとりのやりがいや働き甲斐につなげ、お客様はもちろんのこと、地域や業界に対して高い貢献をされている企業の具体的な取り組みを、書籍などをもとにご紹介しております。

今回ご紹介するのは、あべの、心斎橋、京橋(大阪)、大手町、那覇でオーガニックカフェを展開されている、実身美(さんみ)さんです。
今では都心の一等地で店舗を構える実身美さんですが、2002年の創業時は、町中の小さな店舗からのスタートだったそうです。

創業者の大塚三紀子さんが創業に至った経緯は、20代の頃、仕事中心の生活で、食生活がおろそかになり、身体を壊したことがきっかけでした。食べ物に無頓着でいると、手軽なもの、自分の好きなものなど、食生活が偏ります。しかし、その偏りこそ不調の要因であることに気づきます。

そこから、お母さんがつくる食事—家族のために、季節感あるもの、バランスよいものーヘルシーでありながら満足感ある食事ができるお店を作ろう!という思いから操業に至ったそうです。

ではなぜこのタイミングで実身美さんをご紹介するのか。2020年以降、新型コロナウィルス感染症の影響により、私たちの働き方や暮らし方はは大きく変化し、今も変化の過程にあります。
この間、多くの方が「健康」についてあらためて考えたのではないでしょうか。

その「健康」の土台となるのは、基本の生活習慣です。食事、睡眠、運動です。
そして、バランスがよい状態は、一人ひとり違います。

これまでの経営は、健康のバランスは一人ひとり違うことはわかっていながらも、「組織」の枠組みに皆が合わせ、我慢や無理を重ねてきました。それにより、心身の健康を損なう人も多かったと思います。
しかし、新型コロナウイルス感染症により、家族のことも含めて「調子がよくない」ことを周囲に伝えやすくなりつつあります。

以上のような変化をみたとき、これからの経営は、一人ひとり違うことを前提に、まずは、健康でいられるような組織運営を行い、不調の際に声があげやすく、何かあったときは補い合えるような運営体制です。

一人ひとりのバランスの違いについて、実身美 代表 大塚三紀子さんは、季節ごとの身体の変化と旬の食材のレシピを紹介する『養生ごはん』の中で、次のようなメッセージを発信されています。

「実身美の考える食養生より」P8~P9
自分の心身の状態をいちばん知っているのは自分です

ひとには感覚というものがあります。健康情報や知識は頭で考えがちになりますが、いちばん大切なのは、自分の体調の変化や食べ物を食べて、自分自身がどう感じるか、ではないでしょうか。

たとえば「腰が痛い」とき。整形外科に行って腰の歪みがわかるかもしれないし、内臓由来のものや、ストレスが原因のこともあるでしょう。何か不調が現れたときに、
・ストレスを感じていないか
・ストレスがどこに出やすい体質か
・アレルギーや基礎疾患
・遺伝的な要素
といった自分にまつわるデータを持っておき、そのときの「感覚」と照らし合わせれば、対策が見つかりやすくなります。ストレスを感じるとビタミンB群を消耗しやすいので補給すると調子がいい、カルシウムが不足すると塩辛いものを食べ過ぎてしまう、など。観察を積み重ねることでわかってくることがたくさんあるはずです。

私たちの心身により神経を使い、24時間、事細かに観察できるのは、どんな名医よりも自分自陣にほかなりません。いつも自分の内面に目を向けることを忘れず、調子がよければなぜよくて、どうすれば持続できるのあ、悪いときはどんなケアが適切なのかを判断できるようにしておきましょう。もちろん神経質になりすぎる必要はないし、ときにはお医者さんの力を借りますが、それでも、ひとつひとつの「感覚」から判断するのは自分自身であることを忘れずに。

本稿をまとめる私は、50代です。
私の世代は、常に競争環境の中で育ってきています。そのため、社会人になるとすぐに「会社に合わせる」ように指導され、それを「あたり前」と思ってきました。体調などは二の次、三の次。組織における優先順位は「成果をあげること」でした。

そのため「一人ひとり違う」ことを前提に組織運営をすることに、長い間、違和感がありました。心の中のどこかで「甘いのではないだろうか」と思った時期もあります。
しかし、社員一人ひとりの心身の健康を一番に考え、一人ひとりが成果があげられるように努力している組織は、ガムシャラにやらなくとも自然と必要な成果があがっています。

自然と成果をあげることができている組織を見つけ、現場を見せていただき、社員の方々のお話をうかがううちに、ガムシャラに取り組むことや、無理をするほうが、長い目でみると、成果をあげられないことがよくわかるようになってきました。

このことから、まずは「一人ひとりにバランスよい生活を送ってもらうために何ができるか」という発想に立って物事を考えてみることが大事なのではないかと思います。

養生ごはん』は、身体の内側からバランスを整えるための知恵が詰まった一冊です。
秋の味覚を楽しみつつ上手に心身のメンテナンスができる一石二鳥の一冊。手に取ってみてはいかがでしょうか。

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