Category Archives: 伝え方

行動変容とは何か?

社内講師応援ブログ推進人の原田由美子です。
本ブログは、スタート当初から「参加者の意識と行動が変わる(行動変容が起きる)研修を提供する」ことを目的に情報発信してまいりました。
そこで今回は、あらためて「行動変容とは何か?」について考えてみたいと思います。

行動変容とは?
行動変容は、もともとは「禁煙」など、改善が必要な生活習慣の見直しがもとになっています。この場合、本人にとって好ましくない習慣が継続しているものの、本人に自覚がない状態から、どうしたら関心を持ち、改善の必要性を感じ、新しい習慣行動を身につけ、それを定着させていくかといった流れがベースです。

このように、禁煙や運動習慣の定着など、主に、健康面に重に重点が置かれてきました。
その内容が、厚生労働省のe-ヘルスネットに掲載されています。
以下の図は、サイトの内容を引用し、整理したものです。

企業研修における「行動変容」とは?
それでは、生活習慣改善の考え方が、なぜ、企業研修の中で取り上げられるようになってきたのでしょうか?
主には、
・環境変化が激しい中で、組織変革を推進しなければならない
・成果が求められる時代、成果を上げるための考え方や行動を状況に応じて身につける必要が生じている
・問題行動を起こしている(または可能性のある)メンバーに対する、働きかけ方が難しい
などといった、背景が考えられます。
「必要性を感じていない人」、「問題を認識していない人」、あるいは「組織に対してネガティブな反応を示す人」に対してのアプローチ方法を模索する中で、習慣改善のアプローチが着目されたといえます。

このような背景をもとに、「参加者の意識と行動を変える研修のアプローチ」について、考えていきます。
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担当:Six Stars Consulting  原田

 

 

 

管理職が部下に「ありがとう」と言えないとき

社内講師応援ブログ推進人の原田由美子です。
先日、リーダー研修を担当したときのこと。コミュニケーションに関するワークを実施したところ、ご参加者のほとんどが、部下に対するねぎらいや、取り組みへのお礼を伝えられていないことがわかりました。

そのため、ねぎらいや感謝の言葉を伝える大事さをお伝えしたところ、休憩時間に次のようなご質問をいただきました。
「中途半端な状態の提出物などについても、「ありがとう」など、感謝の気持ちを伝えたら、その人は成長しないのではないか。「これでいいんだ」と思わないでしょうか。そう思うと、「ありがとう」をなかなか言えないんですよ」

そのときは、「取り組んでくれたことへのお礼と、仕事の出来栄えは分けて考える」ということをお伝えしましたが、その研修を振り返りながら、「もう少し根本的な面からお伝えするにはどうすればよかっただろうか?」と考えました。

そこで思い出したのが、参加者の意識や行動変革につながるカリキュラム構築のコンサルティングや、講師としてリーダーシップ研修などで活躍する、水野浩志氏のエピソード。
部下へのねぎらいの言葉がかけられない人への、アドバイスの着眼点です。

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「信頼・尊敬・感謝など、そう簡単にできません!」という管理職層の意見
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以前、【「出来る人」なのに「認められない人」の特徴】というタイトルのメルマガを発行しました。

簡単に要約すると、「出来る人」の中には(役職の有無にかかわらず)人の上に立てない人が意外と多く、それは「出来る人」という自覚ゆえに、他人を見下してしまうから。なので、あるところからは、 「出来る人」を捨て、「出来た人」を目指しましょう。

では、出来た人にはどうなればいいか。それは対峙する人に対して、
★ 無条件に、信頼・尊敬・感謝の気持ちを持つこと
であるということを、出来た人たちから学んだんですよ、

というお話です。

この内容は、多くの方からよい評価をいただきましたが、一方で、
「無条件に信頼・尊敬・感謝など出来ないのでは」
という方もいらっしゃったんですよね。

例えば、こんなメッセージをいただきました。

考えさせられました。ありがとうございます!
人事考課で人の良い点も悪い点も見なければならないし、比べて順位付けもしなければなりませんが、信頼、尊敬、感謝が邪魔になることもあると思います。
また信頼しても裏切られることが多々あると、周りへの影響もあるので組織運営がうまく行かないこともあるも思います。
時には否定をし、排除すら考えないと組織のためにならない局面もあります(もちろん人格否定ではなく、仕事の能力です)。

また、別の管理職の方からは、

一応ですが私は数十人の部下を束ねる管理職ではあるので、メンバーにはいろんな人が存在します。
出来るヤツ、出来ないヤツ、普通の人、・・・(こういうのがすでにレッテルを貼っていることになるのか?!)そんな中で、すべてにおいて相手の言うことを尊重して話を聞いて、仕事を進めようとすると、必ず横槍が入ったりします。
「だから甘いんだよ」
「今はそんな悠長なことを言っていられる状況ではない」etc…
すべてにおいて、スピードと効率化、そして利益が優先されるので、今日のお話にあったような対応で進めていくのは現在の企業理論からも厳しいものがあるようにも感じています。
そういった場合にはどのような対処が必要なのでしょうか?

もちろん、私の会社が特異な点もあるでしょうし、全てがそうだとは言えませんが、
★ 対峙する人に、信頼・尊敬・感謝の気持ちを持つ
ことと
★ 企業・組織としての効率化、利益志向、スピード対応
をどうやって両立するか。
非常に悩ましいと思いますが、水野さんならどうするか、是非ご意見いただければ幸いです!

というメッセージとご質問も頂きました。
ということで、今回はこの件について考えてみましょう。
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信頼・尊敬・感謝の気持ちはどう持てばいいか?──────────────────────────────────────

実は、以前の私も、このお二人のような考えが、ずっと頭から離れず、うまく信頼・尊敬・感謝の気持ちをもつことが出来なかったんですよね。
「無条件に信頼・尊敬・感謝の気持ちを持て接すること」
と、出来た人から教わり、それにチャレンジしようとするのですが、すぐに
「信頼したら、なんでも任せなければいけなくなるんじゃないか」
「たいしたことでもないのに感謝したら、つけあがるんじゃないか」
「あのレベルで尊敬したら、勘違いされるのではないか」
という不安がよぎり、無条件で信頼・尊敬・感謝など出来なかったんです。

そんなことに悩んでいたある日、ふと昔の恩師のことを思い出しました。

それは、高校時代にお世話になった宮田先生(仮名)。

人見知りで成績も悪かった高校1年の時の私を、温かく見守り、大きく成長させて下さった、恩師です。
そのエピソードには枚挙にいとまがないのですが、今回の件に関わるエピソードで今でも思い出すのが、「通信簿」の話。

宮田先生は現代国語の先生でした。

私は、現代国語は比較的得意ではあったのですが、1年生の2学期に、10段階評価で1をつけられたことがあったんです。

とはいっても、理由は単純。
夏休みの宿題を出さなかったという、実にはっきりとしたものだったんですよね。

理由は、反抗的だったわけではなく、面倒でやる気が起きなかったから、やらなかっただけなんですよね。

先生は「提出しないヤツは1を付けるぞ」とあらかじめ宣言していましたから、私が1を付けられるのは、当然でした。

中間・期末テストも、かなり良い点数を取ったのですが、それでも先生は、容赦なく1を付けたのです。

先生は、通信簿を渡すとき、
「水野、お前は夏休みの宿題を提出しなかったから1な」
と言われ、私は
「はい、わかりました」
と答えました。

会話はそれだけでした。

その後、冬休みをはさんで3学期になりました。
私は冬休みの宿題はきちんとやって提出しました。
そして、テストの点数も、きちんと良い点数を取ったところ、3学期の成績は、10段階評価で10を付けてくれたんですね。

そのとき、先生は通信簿を渡しながら
「水野、お前は宿題もやったしテストも良かったから10な」
と言われ、私は
「ハイ、ありがとうございます」
と答えました。

会話はそれだけでした。

これがよくあるパターンだと、
「水野、宿題を提出しないとは何事だ! 先生は失望したぞ!」
とか、
「水野、宿題もテストもよく頑張ったな! 先生尊敬するぞ!」
といったような会話になりますが、
宮田先生は、そういったことは一切言わなかったんです。

これは、つまりどういう事かというと、
★ 評価の世界に信頼・尊敬・感謝を持ち込まなかった
ということなんですよね。

評価はあくまでも基準値と照らし合わせて、感情的ではなく、客観的に行われるものです。

それに対して、信頼・尊敬・感謝というものは、出来た人たちの教えでは「最初から無条件にあるもの」となる訳です。

ということは、つまり、
★ 信頼・尊敬・感謝は人間関係のベースにあるもの
であり、そのベースの上に、評価というものが存在するのです。

逆に言えば、信頼・尊敬・感謝がベースになくては、評価など出来はしないし、してはいけない、ということになるんですよね。

しかし、本来ベースにあるはずの信頼・尊敬・感謝を評価の世界に持ち込み、相手の成果や能力とリンクさせて、 信頼出来るの出来ないの、と言いだしてしまうことが非常に多い。

だから、多くの組織で、問題視されるほど、人間関係がおかしくなってしまい、無意味に疲弊した人が増えてしまっているのではないだろうか。

宮田先生の振る舞いを思い出すと、そう思えてならず、それをまさに自分自身がやっていたということに気付かされたんですよね。

宮田先生は、私の通信簿に、1から10までの点数を付けました。
そういう意味では、評価は大きく変わった訳です。

しかし、それでもなお変わらなかったのは、私に向けて持つ信頼・尊敬・感謝の気持ちだったんですよね。

そして、私だけではなく、立派な優等生にも、手に負えない不良たちにも、分け隔て無く、信頼・尊敬・感謝の気持ちを持って、接していたように思います。

これを思い出したとき、自分が考えていた信頼・尊敬・感謝の気持ちの持ち方が、根本的に間違っていたことに気付くと共に出来た人たちからのアドバイスが、ようやく腹落ちしたのでした。
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今回のまとめ
信頼・尊敬・感謝は人間関係のベースであり、評価に持ち込むものではない
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今回は本編が長くなってしまいましたので、まとめ以降は短めに。
信頼・尊敬・感謝を実践するための参考として、宮田先生のエピソードを書いたメルマガを紹介しておきますね。

恩師からのメッセージ

人が生き続けるということ

教育者が陥る、教え子の心を折ってしまう典型的対応

久しぶりに読み返すと、涙が出ます。

こんな素晴らしい先生の生き方の価値に、やっと今頃気付く事が出来たというのは、情けなくもありますが、でも、今更でも気付けたことに、心から感謝しています。

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正しいことを、どう伝えるか?

社内講師応援ブログ推進人の原田由美子です。

「~~すべき」
「~~するのが当然だろう」
といった言葉をよく耳にします。

しかし、そのような言葉をよく使う人のまわりを見ると、必要以上にその人に対して神経をつかっていたり、その人が言うとおりの形はできていたとしても、心がこもっていないなぁと感じることがよくあります。
あるいは、まわりの人がその人の価値観に合った行動を取らないために、その人自身が必要以上にイライラしているケースもあります。

とはいうものの、私も「~~するのが当たり前」と考えるタイプでした。
しかし、講師としてさまざまな価値観の人と接する中で、「~~するのが当たり前」というスタンスで参加者と接すると、参加者との距離ができ、満足いただけない経験をしてきました。

そのときにとても参考になったのが、コンサルタントとして意識や行動変革につながるカリキュラム構築のアドバイスや、講師としてリーダーシップ研修などで活躍する、水野浩志氏の次の話。
講師としての考え方を変えるポイントが明確になった話です。それを皆様にご紹介します。

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正しいことを言ってはいけないのか?
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私は折に触れて、
■ 正しいことを相手にぶつけるものではない
という話をしています。

自分が持つ正しさを盾に、相手を批判・否定するマインドで伝えても、人間関係を悪化させるだけ。

だから、いくら自分が正しいと思っていても、それをまっすぐに相手にぶつけない方が良いですよ。こんな話をしているんですよね。

このことについて、多くの人からは「その通りですね」といった同意のメッセージを頂くんですが、一部の方からは、
「では、正しいことを言ってはいけないのか」
「間違っている相手をほったらかしておいていいのか」
といったメッセージも頂きます。

そう言われてみると、私は「こうするな」とは言っていますが「こうした方が良い」ということは言っていません。

そこで今回は、正しいことをどうやって相手に伝えれば良いのかについて、考えてみましょう。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
正しいことの伝え方
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かくいう私も、以前は、正しいことを伝えようとすることがよくありました。
その時の心境を思い出してみると、
■ 正しいことは受け入れるべき
という気持ちが強かったように思います。

人間、不思議なもので、そう思ってしまうと、
★ 伝わるように伝える努力
を放棄してしまうんですよね。

その上、ストレートに伝えて、受け取られないと、不愉快に思う。
そんなことを繰り返していたわけです。

でも、そもそも人って、どんな話を聞き入れるんでしょう?
冷静に考えてみると、正しいことなら聞き入れる、というより
★ 自分にとって役に立ったり面白いと思える話
を受け入れるんだろうと思うんですよね。

そうであるならば、もしあなたが正しいことを伝えるのならば、その正しさを
・相手にとって役に立つような形に
または
・相手が面白いと思えるような形に
表現を変えていく必要がある、ということなんですよね。

正しいことを、単に分かりやすく伝えればいい、と思っていると、いつまでも伝えたいことが伝わらずに苦しむことになります。

ですから、伝えたい相手がどんなことに関心があるのか、また、どんなことを面白いと思うのかをくみ取りながら、伝わることに力を注いでみてはどうでしょうか。
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今回のまとめ
役に立つ、または、面白い話を人は受け入れる━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●
今回の話について
「面倒くさいなあ。何で正しいことを伝えるのに、そこまでこちらが苦労しなくちゃいけないんだよ」
と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

そんな方のために、伝える努力を全くしなくても、相手に伝わる方法をお教えしましょう。

それは何かというと、あなた自身が
★ 相手にとって役に立つ人
★ 面白い人という存在になる
ということ。

こういう存在になれたら、あなたの伝え方がどうであれ、相手はあなたの言葉に耳を傾けることでしょう。

では、どうしたら、そういう存在になれるのか、というと……残念ながら、あなたが面倒だと思っている前段の伝える努力を日々行っていくことが、一番確実な方法なんですよね。

相手のことを何も考えずにいる人が、役に立ったり面白かったりするケースは、まずありません。人の役に立ったり、人を面白がらせる人のほとんどは、相手のことに意識を向け、相手を理解し、その人に伝わる努力をしている人達です。

その努力の結果、多くの人から、「役に立つ人・面白い人」という評価を得ることが出来て、その結果、どんな話にも耳を傾けられる存在となるわけです。

ということで、大変かもしれませんが、是非伝える努力を怠らないようにして下さい。
それが、後々コミュニケーションで苦労しなくなる、一番良いやり方だと思いますから。

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講師はメンバーのモチベーションをコントロールできるのか?

社内講師応援ブログ推進人の原田由美子です。
ずっとうつむいたままの人、外や時計ばかりを気にしている人、話し合いに参加しない人、「こんなことをやっても無駄だ」という人。「モチベーションが低い」と感じられる参加者への対応に、悩んだ経験を持つ人もいらっしゃるのではないでしょうか?

今回は「モチベーションが低い」と感じられるメンバーとのかかわり方のヒントを、プロの講師を対象に「カリキュラム構築アドバイザー」として、企業研修では「リーダーシップ」研修などで活躍する水野浩志講師に紹介いただきます。
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上司から大変な依頼をされて……
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ある研修に参加された、課長職としてお仕事をなさっている坂上さん(仮名)からこんな相談を受けました。

「水野さん、上司から、『モチベーションの低い連中を集めるので、彼らのモチベーションを上げてくれ』と持ちかけられてしまいまして……」

話を伺うと、とある職場の従業員に、少々やる気に欠けるメンバーがいるそうで。
その中でも、特に下がり気味と思われる15名を選び、彼らのモチベーションを上げ、自主的に行動してもらうようにしなくてはいけないとのこと。

なかなかの難題を押しつけられ、一体どうしたらいいのかと悩んでいるそうです。
いやはや、何とも大変な役回りを押しつけられてしまったようです。
さて、あなたが坂上さんの立場に立たされたら、いったい何をすればいいと思いますか?

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人を変化させるときに大切な考え方
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今回の坂上さんの上司は、坂上さんに任せた方たちのことを、どうとらえているでしょうか。

言葉だけを拾って考えてみると、
・モチベーションが低い
・自主的に行動しない
といっているように思います。

こう思える人たちに対して、ついついやってしまいがちなのは、
■ お前はダメだ!
というところから入っていくアプローチ。

彼らのモチベーションは低く、自主的に行動しない、というのは事実かも知れません。しかし、その事実をもって、「ダメだ」といった評価をし、それを相手に下してしまうとどうなるか。

自分を否定されて発憤できるのは、モチベーションが相当高い人たちだけ。

モチベーションが低い人たちにそれをやってしまうと、おそらく、さらにモチベーションを下げ、やる気を失わせてしまうことになるでしょう。

さらに、そのような人たちは、人の目線も結構気にしますので、あなたが言葉にしなくても、気持の中で、彼らに「ダメ」の評価をしていると、きっとそれを察して、さらにモチベーションを下げてしまうことでしょう。

ですから、まず重要なのは、
★ 彼らを評価するのではなく、彼らの現状を把握をする
ことに努めることでしょう。

その上で、この仕事を依頼した上司に対して、
・モチベーションを上げるとはどういう状態か?
・自主的に行動するとはどういう状態か?
ということを、具体的に一人ひとりについて、言及してもらうこと。

その上で、彼らが置かれた現状と、上司が期待する状態とのギャップを、彼ら自身に理解してもらう。

そこまで出来たら、そのギャップを埋めていくために、どうすればいいかを考え、具体的な行動の一歩を決める。

現状と期待のギャップを埋めていく方法は星の数ほどあり、置かれた状況や、その人の個別の性格や能力によって、変わってくると思います。

しかし、今回お伝えする
・評価を交えずに現状を把握する
・上司の期待を具体的にする
・両者のギャップをどう埋めていくかを考える
というプロセスは、どんな状況であっても、使えると思います。

ですから、もしあなたが、今回の坂上さんのような立場に置かれているとしたら、是非このプロセスで、接してみて下さいね。
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今回のまとめ
他人を安易に評価せず、現状を把握した上で、
上司の具体的な期待を確認し、そこに向けてのギャップを埋めていこう!
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今回のお話で、非常に興味深い点は、坂上さんの上司のリクエストです。
その方は、坂上さんに対して、
・モチベーションを上げて欲しい
・自主的に行動して欲しい
というリクエストを投げかけた訳です。

言葉通りに受け取れば、これら2つのことを、坂上さんが実現しなければいけないことになります。

しかし、モチベーションも自主的な行動も、
■ 本人以外はコントロール出来ないもの
なんですよね。

何か話を聞かせてモチベーションを上げることは出来ると思われる方もいるかもしれませんが、あくまでも人の話は刺激でしか無く、実際にモチベーションを上げるのは本人です。

自主的な行動に至っては、それを他人がコントロールしたら、もはや自主的でもなんでもない、ということになってしまいます。

にもかかわらず、それを他人がどうにかしようと、強引に関わって来るから、モチベーションが下がったり、自主性が無くなったりするケースが非常に多いのではないでしょうか。

かくいう私も、今までの自分を振り返ってみると、こうした相手をコントロールしようとする関わり方をしていたことが多々ありました。

そして、当然うまくいきませんでした。
その時は、決まって
■ 相手のことをダメだと評価している
んですよね。

こんなダメ評価のマインドを持っているから、人をコントロールしたくなるわけで、そんな気持で自分をコントロールしようとする人が近づいてきたら、そりゃあ相手だってドン引きしますし、いうことだって聞きはしませんよね。

ですから、このことに気づいてから、私が出来る事は、
★モチベーションが上がりやすく、自主的に行動しやすい環境を整えてあげること
しかなく、その環境を作りをした上で、相手に接するときは、
★相手を一切評価せず、信じて応援する気持ち
を持つことを心がけるようになりました。

まあ、昔付いたクセがなかなか抜けず、うまくいかないこともあるのですが、この心がけを持って接するようになったら、以前よりも、相手にとって良い変化が生まれるようになったケースが格段に増えたように思います。

確かに楽な仕事ではありませんし、時間もそれなりにかかると思いますが、是非このマインドセットとプロセスを忘れずに、人の成長の支援に取り組んでいって欲しいと思います。

坂上さんはじめ、同じ立場に置かれている皆さん、ファイト!

★☆★Six Stars Consultingからのお知らせ★☆★
(開催予告)社内講師(インストラクター)レベルアップセミナー

日時:2015年8月6日(木)10:00~17:30
講師:株式会社マイルストーン 代表取締役 水野 浩志 氏
(Six Stars Consulting株式会社パートナーコンサルタント)
会場:都内近郊
参加者の職場実践を促進する、カリキュラムの構築と効果的な動機づけ手法について、実践的に習得いただくプログラムです。

「やってはいけないこと」が分からない人への関わり方

社内講師応援ブログ推進人の原田由美子です。
4月に入り、新入社員研修がスタート。
希望にあふれ、意欲高く取り組む彼らと接すると、こちらのモチベーションもアップしますね。
そんな中、意欲があふれすぎ少々行き過ぎるメンバー、組織の中でどこまでのラインが許されるのかわからず、オーバーランしてしまうメンバーなどいらっしゃいませんか?

そんな彼らへ、チャレンジ精神を失わせずに注意を促すのは意外と難しいもの。
もっとも影響があるのは、行き過ぎるメンバーではなく、それを見ているメンバーだったりしますしね。

ということで、今回は行き過ぎてしまうメンバーに対する指導する側のスタンスについての、水野講師のアドバイスです。

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赤毛のアンは罰ばかり受けていた
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昨年は『アンと花子』でも取り上げられ、あらためて注目をあびた『赤毛のアン』。
原作は、映画やアニメにもなり、多くの人たちの心を虜にしました。私もそのうちの1人でして、ミーガン・フォローズ主演の映画は、何十回見たかわからないぐらい見ました。

ストーリーは、男の孤児をほしがっていた老兄妹のマシューとマリラの元に手違いでやってきてしまった赤毛の女の子、アン・シャーリー。
その彼女が2人に受け入れられ、そして成長していく姿が描かれている物語ですが、主人公のアンの行動が、もう、とんでもないんですよね。

マリラの友人であるレイチェルを、引き取られて早々であるにもかかわらず怒鳴り散らしたり、赤毛をからかったギルバートの頭を、思い切り石版で叩いたり……

アンはその都度、部屋に閉じ込められ、黒板に「自分は悪い子です」と100回書かされる、といった罰を受けています。
さて、これらの罰を受けて、果たしてアンは心から反省したのでしょうか?

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罰則で人は成長するのか?
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このような形で情報発信するにあたり、改めて赤毛のアンの映画を見直してみたんですが、興味深かったことが2点ありました。

まず1つ目、
■ アンは罰を受けたことによって反省したことはなかった
ということ。

レイチェルを罵倒したときも、ギルバートを石版で殴ったときも、罰を受けたことによって反省をしているそぶりは全くありません。
確かに、目上の人を罵倒したり、乱暴を働いた、ということ事態は反省しているところを見せました。

しかしその反省も、罰を受けることによって生まれたものではなく、あくまでも自らの行動を振り返ってのこと。かつ、自分の行動をすべて反省しているわけでもなく、あくまでも部分的な反省であり、相手に対して100%わびることはありませんでした。

つまり、罰を与えた側の思惑というものがきちんと機能していなかったわけです。

もう1つ、映画を見ていておもしろかったのは、
■ アンが罰を受けるシーンが、後半は全く出てこなかった
ということ。

アンは、成長しても突飛でうっかりな行動はなくなりません。
屋根から落ちて足をくじいたり、プリンのソースにふたをせず、ネズミをおぼれさせてしまったり、穴の空いた船に乗っておぼれそうになったりと、とにかく騒ぎを起こしていきます。

しかし、物語の後半になると、そのことに対して罰を与える、というシーンがほとんど出てこなくなったんですよね。まあ、フィクションの物語だからだといわれてしまえばそれまでなんですが、しかしこれにも意味があると私は思うのです。

なぜなら、この映画で描かれていることは「アンの成長」であり、罰を与えられたアンが、ちっとも反省していない姿を描いているのは、
■ アンは罰によってコントロールされる人間ではない
ということを表していることになるんですよね。

だから、多分マリラはアンに対して罰を与えるという教育をすることはしなくなっていったのでしょう。

その甲斐あって、アンはのびのびと育ち、自分の力を存分に発揮出来、あれだけすばらしい女性に育ったのだと思うのです。

もちろんここまで成長できたのは、マリラがアンをちゃんと受け止め、人として接してきたからこその話であり、またアン自身の性格や資質も相応にあったからこそでしょう。

でも、この映画を見ると、
■ 教育的見地で考える、罰を与えることの効能
というものについては、よくよく考えないといかんなあと思うのです。
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今回のまとめ
人は、罰を与えることで成長するのではない━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●

今回は一貫して、教育的観点で罰というものを考えてみました。
その上で、改めて思うのは、
■ 罰は、人を育てるということに直接つながらない
ということ。

罰を与える目的は、あくまでも
■ 許される行動規範を示し、それから外れさせないこと
でしかないんですよね。

言ってみれば、ここからここまで行動していいけど、この線の向こう側にいっちゃ駄目だよ、超えたら痛い目に遭うよ、という境界線を教えることが、罰を与える目的になると思うんです。

ここには、成長の要素は殆どありません。

しかし、多くの人は、罰によってコントロールされやすいため、往々にして指導者は、罰を教育の現場に安易に持ち込んでしまうんですよね。

もちろん、罰は一切不要だとは言うつもりはありません。

でも、多用するのは、教育者としては手抜きだと思うんです。

罰で指導者が期待する行動を起こさせるのではなく、自発的に行動を起こしたいと思わせるような教育が必要でしょう。

アンは最初、孤児ゆえの偏見で色々と虐げられていましたが、持ち前の明るさとイマジネーション、そして、ギルバートへのライバル意識で、勉強が出来る生徒に育っていきました。

しかし、ミス・ステイシーが教師としてアンの学校に赴任してからは、彼女がアンの資質を認め、それを最大限に支援したことが、彼女の、人間としての大きな成長につながっていたように思います。

その後、アンは学校の先生になりますが、彼女もまた、生徒たちを信じ、応援することを信条とする教育を行っていたようにみえます。

こうして考えると、もしあなたが教育者の立場にいるなら、まず、

★ 相手を信頼し支援しようとしているか

ということを、罰を与える前に十分やっているかどうか、確認しておくことは必要かもしれませんね。

罰はいつでも与えられます。

その前に、教育者として、本当に相手を信頼し支援しているか、是非自問自答してみてくださいね。

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