「種」が教えてくれた、人の育て方

社内講師応援ブログ推進人の原田由美子です。
講師として、さまざまなタイプの参加者に出会います。その中で、相手の「できていない」ことばかり目に付き、そのことに囚われ、空回りしてしまうことはないでしょうか。
そこで今回は、「カリキュラム構築アドバイザー」として、企業研修では「セルフリーダーシップ」の講師として活躍する水野浩志氏に、できていないことが多い参加者に対して、どのように向き合うとよいかを、自らの体験をもとに伝えていただきます。

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この未熟者めが!!
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私は、短気な性格も手伝って、未熟な人を見ていているとすぐにイライラしてしまう人間でした。

・なぜ、これくらいのことが出来ないんだろう
・もっと先を読めば良いのに
・もっと気を利かせれば良いのに

未熟な人たちの働きぶりを見ながらいつもこんなことを考えて、血圧を上げていました。

さらに、以前は抑えがきかず、思わずその未熟者に対して、厳しい口調で説教するなんてことをよくやっていました。

しかし、その結果、未熟な人たちを育てられたかというと、上手く育ったのはごく一部の根性のある人だけ。

そうでない人は、私からのプレッシャーに潰れたり、反抗して離れてしまったりといった形で、満足に育てたとはとても言えないような有様でした。

その後、コミュニケーションの勉強をして、話し方や伝え方を工夫することで、以前よりは成長する人も増えてきました。

しかし、相変わらず、未熟な人たちへの苛立ちは口には出さずとも感じていました。

そして、それを敏感に察知する人たちは余計なプレッシャーを感じたり、反発していうことを聞かず結局成長させることは出来なかったのです。

正直言いまして、この状況は数年前まで続いていました。

研修などでも、表面上は、参加者を受け入れるようなメッセージを発信しつつも、彼らの未熟な点を見つけては、
「何でそう考えるんだ! そうじゃないんだ!」
「ああ、もうこの人達を何とかして変えてやらんと!」
ということを感じながら、イライラしたり、焦ったりしていたんです。

だから、ものすごくエネルギーを使い、研修が終わる頃はヘトヘトになっていたんですよね……

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未熟な人を育てる人になるために
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未熟な人を見て苛立ちを感じている私は、自分自身をじっくり観察してみました。
するとどうやら、
■ その人自身に足りないものや欠けているものがある
と、強く信じているようです。

だから、その足りないものを埋めるべく、手を変え品を変え、足りないもの、欠けているものを、押しつけようとして、上手くいかずに悩んでいたんですよね。

ところが先日、たまたま家内がガーデニングでこれから蒔こうとしていた種を目にしました。

その時、なぜか突然、
■ 種を指さし「あれが足りない、これが欠けてる」と思うだろうか?
という疑問が頭に浮かび、頭の中で自問自答が始まったのです。

ゆくゆくは、花が咲き、実をつける草花も、一番はじめは、小さな小さな、一粒の種でしかない。
だけど、その種を見て、
「根が、茎が、葉が、花が、実が、足りない!」
と思うだろうか。

さらには、そう思いながら、根や、茎や、葉や、花や、実を、その小さな種に押しつけようとするだろうか?
そして、そうやって押しつけていけば、果たしてその種は、立派に成長するのだろうか?!

当たり前だけれど、そんなやり方では、絶対に満足に花を咲かせ、実らせることなど出来ない。

「この種は、きっと素晴らしい花を咲かせ、美味しい実をつける!
そのために必要なものは、全て種の中にある!!」

そう信じたうえで、その種を土に植え、日の光を当て、水や肥料をやりながら育てていくではないか。

人を育てるのだって、同じ事だろう。

つまり、未熟な彼らは、決して足りない人ではなく、
★ 全て必要なものを持っている、未だ芽吹いていない「種」の人
なのだ。

だから、やがて大輪の花を咲かせ、たわわな実をつけることが約束されていると信じ、そう育つような環境を整えてやることが種を育てる人の大切な役割なのだ!

……ここまで考えたとき、不思議と、今まで感じていた、未熟な人に対しての苛立ちが、はらはらと消えていき、その代わり、彼らに対して、暖かな愛情の気持ちが芽生えてきたのでした。

面白いことに、こういった心のあり方になってからは、研修での参加者の雰囲気や反応や研修後の様子が、大きく変わってきたんですよね。

たとえば、今までは、参加者が積極的に参加してくれるようになるまで時間がかかったんですが、その時間も大幅に短縮されました。
また、こちらから発したメッセージが心に残る度合いも今まで以上に深まっているように感じます。

成長の成果はこれからですが、今まで以上に確かな手応えを感じるようになったのは間違いありません。
講師業が、ますます楽しくなってきています。
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今回のまとめ
未熟な人は、足りないのではなく、必要なものを全て内包している種なのだ
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コーチングでは、
「クライアントは生まれつき創造的であり、全てを持った存在である」
という言葉があります。

私は、15年以上前から、折に触れてコーチングの勉強をしているので、この言葉も、もう何度も目にしてきました。

しかし、何度目にしても、この【考え方】が、どうにもしっくりこなかったんですよね。
たしかに、言葉としては、非常に素晴らしいように思える。

でも、現実的には、創造的ではない人もいるし、全てを持っている人などいないではないか。

そう思って、この【考え方】を振り回し、質問する事ばかりに固執し、アドバイスや意見をする事をかたくなに否定するコーチを、冷めた目で見ていました。

そして「自分はコーチなんか出来ないなぁ」と思い、コーチングというものに、気持の上で、一定の距離を置いていたんです。

しかし、今回、この「未熟な人は種なのだ」という答えに至ったとき、頭ではなく、心から、これらの言葉を、納得して受け止めることが出来るようになりました。

つまり、この言葉は
★ 育てる人がもつべき【考え方】ではなく【あり方】である
という事だったんですよね。

表層的な理屈ではなく、未熟であっても、種が芽吹くことを信じ、そして、その種にとっての最高の花が咲くよう、向かい合って育てていく。

果たして、この解釈が正しいのかどうかは分かりません。

しかし、少なくとも今の私は、
★ 人はみな、すでに成功するために必要な全てを持っている
という言葉を、腹の底から信じられるようになったことを、

自分自身、心から嬉しく思っているのです。

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