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「行動変容」型アプローチで、何が変わるのか?

社内講師応援ブログ推進人の原田由美子です。
本ブログは、「参加者の意識と行動が変わる(行動変容が起きる)研修を提供する」ことを目的に、講師として活躍する方を対象に発信しております。

前回は、参加者のちょっとした言動から、心理状態を把握するポイントをご紹介しました。参加者の表情や言動に思い当たることがあったかもしれません。
今回は、「満杯に水が入ったコップが、ふせてある状態」のアプローチを考えていく上で、おさえておきたい、「行動変容」のもっとも大きな効果についてお伝えします。

さて、「満杯に水が入ったコップが、ふせてある状態」の参加者心理とはどのようなものでしょう。
〔リアクション別「学習習得レベル」〕を元に考えてみます。
表を確認すると、第3レベルと第4レベルが該当しそうです。
第3レベル:理解する「それはわかってるよ」
第4レベル:行動する「やったよ」

たとえば、第3レベル「それは、わかってるよ」
という言葉を発するとき、私たちは、どんなことを思っているでしょうか?

・忙しすぎて、それどころではない
・そのこと意外に、気がかりなことがある
・やろうと思っても、実はやり方がイマイチわかっていない(ことを言えない)
・自分の価値感に合わない
・他の人がやっていないのに、なんで自分たちだけ・・・
・自分が取り組むメリットを感じていない


一人ひとりの話を聞くと、もっと単純なことかもしれません。しかし、このような状態こそ、なかなか新しいことを受け入れづらい。すなわち、「満杯に水が入ったコップが、ふせてある」状態です。

言われてみると・・・というご経験があるかもしれません。

こういう状態の人たちに、新しい考え方や取り組みをしてもらうとき、どのようなアプローチを考えますか?

イメージしやすくするために、実際の例をもとに、考えてみましょう。

【Case:小売業「接客力向上」】
小売業の販売現場で取り組む「接客力向上」の取り組み。
その取り組みのポイントは、
「お客様がお越しになったら、作業の手を止め、(座っていれば)立ち上がり、お客様に身体を向け、笑顔で「いらっしゃいませ」と言いましょう」
を全員が徹底するというもの。

今までしていた接客「いらっしゃいませ」の声がけに加え、
・作業の手を止め
・(座っていれば)立ち上がり、
・お客様に身体を向け
・笑顔で「いらっしゃいませ」
と、全員が言う。

現場にはゆとりがなく、品物は、ある程度決まった時間帯に陳列し終えなければならない。それ以外にも、納入された商品の検品や、お客様に売り場を聞かれればご案内するなど、その時々で様々な業務が発生します。

参加者の「これ以上負担が増えるのか?」という心の声が聞こえてくるような気がしませんか?

一般的に多い研修のアプローチ
「今期計画達成に向け、今後は新しい接客を身につけることになりました。研修終了後には、店舗への調査が入ります。今日はしっかり身につけ、職場で実践してください。それでは、第一印象の重要性から・・・」
という展開が多いのではないでしょうか。

この場合のアプローチでも行動は変わります。その結果、お客様の評価が変わり、結果として本人たちも「やってよかった」という気持ちになります。

しかし、ゆとりがない状況は変わらないため、徐々に疲弊していきます。最初の施策がうまくいっても、次の施策を実行するときに「また、新しいことに取り組むのか」と、さらに負担感が増します。その結果「人材育成の点数稼ぎ」という声が現場から聞こえたり、現場でメンタル不調を訴える社員が増える、小さなミスが続くなど、異なる事象が現れます。

「行動変容」型アプローチ
「行動変容」では、一人ひとりが抱える「満杯になっている水の状態」を洗い出すことからスタートします。その過程で、たとえば、「今の現場で立って笑顔で挨拶をするのは無理」だと思っている人がいるのであれば、なぜ無理だと思うのか、また、どうすればできるかを1つ1つ考えていきます。

考える過程で、「これならできるかも」、「こうすればいいかも」と、いった、自分たちがアイデアを出し、それを試すことを大事にします。すると、職場に戻った後も、自分たちで工夫する力がつきます。
一方で、洗い出されたものの中から、会社全体で改善が必要と見られるものが見つかれば、別途対応し、彼らが取り組みやすい環境を整えます。

その過程を通じ、自分たちで考えて工夫するプロセスを身につける。
それにより、「やればできる」という手ごたえを自分たちが感じる。

このように取り組めるように研修を組み立て、必要な後押しをするのが「行動変容」に基づく研修のアプローチです。効果の違いは、ご理解いただけるものと思います。

それでは、どのように組み立て、取り組んでいったらいいでしょうか?
研修の組み立ては「研修後」を意識した上で、「研修前」「研修」「研修後」のそれぞれのパートでポイントがあります。各パートでのポイントは、次回以降でご紹介していきます。

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リアクション別、学習習得レベル判定

社内講師応援ブログ推進人の原田由美子です。
本ブログは、「参加者の意識と行動が変わる(行動変容が起きる)研修を提供する」ことを目的に、講師として活躍する方を対象に発信しております。

前回は、参加者の心理状態をとらえることの重要性と、そのイメージを「コップの水」で捉える考え方をご紹介しました。

「コップの水」の状態は、一人ひとりの「心の中」のことです。そのため、「それがなかなかわかりにくくて・・・」という悩みをお持ちの方もいらっしゃることでしょう。

そこで今回は、参加者のちょっとした言動から、心理状態を把握するポイントをご紹介します。

プロとして多くの組織に影響力を与えている講師を対象に、カリキュラム構築アドバイザーとして活躍する水野浩志氏によると、学習習得レベルは、情報に触れたそのときの、ちょっとしたリアクションに現れるとのこと。
そのリアクションの違いを下表にまとめました。 学習習得レベルの測定

このように比較してみると、イメージしやすいのではないでしょうか?

私自身の経験からも、小学生ぐらいの頃、親に「勉強したの?」と聞かれたときのリアクションを思い出してみると、確かに!といえます。

たとえば、「わかってるよ」と答えたときは、
やってないですよね。

では、途中のときは?
たぶん、「今、やってるよ」

そして、終わっていれば、
「終わったよ」 でしょう。

こんな風に、相手のリアクションに注意を払ってみると、相手の取り組み状況というのはおおよそつかみやすくなります。

あなたが担当する研修では、どんなリアクションが返ってきそうでしょうか?
考えてみると、面白いかもしれません。

相手の習得レベルをつかむことができれば、コップに入った水に対するアプローチも検討しやすくなります。次回は、コップに水が満タンに入っている状態の人に対するアプローチを考えてみます。

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