Monthly Archives: 6月 2015

参加者心理を具体的にイメージできているだろうか?

社内講師応援ブログ推進人の原田由美子です。
本ブログは、「参加者の意識と行動が変わる(行動変容が起きる)研修を提供する」ことを目的に情報発信しております。
前回は、「行動変容とは何か?」、また、 禁煙や運動習慣の定着など、生活習慣改善の考え方として発展したアプローチが、なぜ、企業研修の中で取り上げられるようになったかをご紹介しました。

今回は、別の視点から「行動変容」のアプローチが必要な理由をご紹介します。

たとえば、次のようなご経験はないでしょうか?

「学んでも意味がない」と感じる新入社員
新入社員を対象に実施するフォローアップ研修で、あいさつ・返事、PDCA、ほうれんそう、役割分担など、新入社員研修でできるようになっていたことを確認すると、新人時代の緊張感はどこへやら。やらされ感いっぱいな様子が伝わってくる。

入社時は、素直に学んでいたメンバーも、「この人の話は話半分」といった様子が感じられる。

など、配属後、さまざまな理由から学んだことが生かされず(本当の意味合いを理解しきれていない可能性も含め)「学んでも意味がない」と感じている新入社員に向けて、あらためて指導しなおす経験は、多くの方がされているのではないでしょうか?

このように「学んでも意味がない」と感じている人は、新入社員に限りません。
どの階層にも存在します。
そのような人たちのことを「コップの水が満杯になった状態」と表現しますが、カリキュラム構築アドバイザーとして活躍する水野氏は、具体的なイメージを次のように表現しています。

下図「参加者心理の客観的把握」をご覧ください。

学習棄却とコップの水
・コップの水を満タンにして伏せた状態
⇒学ぶことに抵抗をしている、または、必要性を感じていない状態
・コップの水を満タンにして上向きな状態
⇒学ぶことへの期待がない、または、学ぶ余裕がない状態
・コップの水が少なくなっている状態
⇒学ぶ必要性を感じている状態

このように、参加者の心理を具体的なイメージで捉えると、どのようなアプローチが必要かが捉えやすくなります。その上で、「行動変容ステージモデル」を照らしてみると、有効性が理解しやすくなるのではないでしょうか。

次回は、「行動変容ステージモデル」をもとに、コップの水を減らすためのアプローチについてご紹介します。

本ブログがお役に立てれば、嬉しいです。感謝。

********************************
Six Stars Consultingからセミナーのお知らせ
テーマ:新任人材育成担当者セミナー
~職場での実践行動につながる研修企画~フォローの進め方~

開催日:2015年7月14日(火)10:00~16:45 於 京国際フォーラム

テーマ:社内講師(インストラクター)レベルアップセミナー
~研修参加者の意欲と行動力を高める3つのポイント~
開催日:2015年8月6日(木)10:00~17:30 於 東京国際フォーラム

社員がイキイキと取り組みたくなるセミナー、研修の企画など、ぜひ、ご相談ください。

お問い合わせ先:(045)222-0737 平日:9:00~18:00
担当:Six Stars Consulting  原田

行動変容とは何か?

社内講師応援ブログ推進人の原田由美子です。
本ブログは、スタート当初から「参加者の意識と行動が変わる(行動変容が起きる)研修を提供する」ことを目的に情報発信してまいりました。
そこで今回は、あらためて「行動変容とは何か?」について考えてみたいと思います。

行動変容とは?
行動変容は、もともとは「禁煙」など、改善が必要な生活習慣の見直しがもとになっています。この場合、本人にとって好ましくない習慣が継続しているものの、本人に自覚がない状態から、どうしたら関心を持ち、改善の必要性を感じ、新しい習慣行動を身につけ、それを定着させていくかといった流れがベースです。

このように、禁煙や運動習慣の定着など、主に、健康面に重に重点が置かれてきました。
その内容が、厚生労働省のe-ヘルスネットに掲載されています。
以下の図は、サイトの内容を引用し、整理したものです。

企業研修における「行動変容」とは?
それでは、生活習慣改善の考え方が、なぜ、企業研修の中で取り上げられるようになってきたのでしょうか?
主には、
・環境変化が激しい中で、組織変革を推進しなければならない
・成果が求められる時代、成果を上げるための考え方や行動を状況に応じて身につける必要が生じている
・問題行動を起こしている(または可能性のある)メンバーに対する、働きかけ方が難しい
などといった、背景が考えられます。
「必要性を感じていない人」、「問題を認識していない人」、あるいは「組織に対してネガティブな反応を示す人」に対してのアプローチ方法を模索する中で、習慣改善のアプローチが着目されたといえます。

このような背景をもとに、「参加者の意識と行動を変える研修のアプローチ」について、考えていきます。
********************************
Six Stars Consultingからセミナーのお知らせ
テーマ:新任人材育成担当者セミナー
~職場での実践行動につながる研修企画~フォローの進め方~

開催日:2015年7月14日(火)10:00~16:45 於 京国際フォーラム

テーマ:社内講師(インストラクター)レベルアップセミナー
~研修参加者の意欲と行動力を高める3つのポイント~
開催日:2015年8月6日(木)10:00~17:30 於 東京国際フォーラム

お問い合わせ先:(045)222-0737 平日:9:00~18:00
担当:Six Stars Consulting  原田

 

 

 

管理職が部下に「ありがとう」と言えないとき

社内講師応援ブログ推進人の原田由美子です。
先日、リーダー研修を担当したときのこと。コミュニケーションに関するワークを実施したところ、ご参加者のほとんどが、部下に対するねぎらいや、取り組みへのお礼を伝えられていないことがわかりました。

そのため、ねぎらいや感謝の言葉を伝える大事さをお伝えしたところ、休憩時間に次のようなご質問をいただきました。
「中途半端な状態の提出物などについても、「ありがとう」など、感謝の気持ちを伝えたら、その人は成長しないのではないか。「これでいいんだ」と思わないでしょうか。そう思うと、「ありがとう」をなかなか言えないんですよ」

そのときは、「取り組んでくれたことへのお礼と、仕事の出来栄えは分けて考える」ということをお伝えしましたが、その研修を振り返りながら、「もう少し根本的な面からお伝えするにはどうすればよかっただろうか?」と考えました。

そこで思い出したのが、参加者の意識や行動変革につながるカリキュラム構築のコンサルティングや、講師としてリーダーシップ研修などで活躍する、水野浩志氏のエピソード。
部下へのねぎらいの言葉がかけられない人への、アドバイスの着眼点です。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「信頼・尊敬・感謝など、そう簡単にできません!」という管理職層の意見
──────────────────────────────────────
以前、【「出来る人」なのに「認められない人」の特徴】というタイトルのメルマガを発行しました。

簡単に要約すると、「出来る人」の中には(役職の有無にかかわらず)人の上に立てない人が意外と多く、それは「出来る人」という自覚ゆえに、他人を見下してしまうから。なので、あるところからは、 「出来る人」を捨て、「出来た人」を目指しましょう。

では、出来た人にはどうなればいいか。それは対峙する人に対して、
★ 無条件に、信頼・尊敬・感謝の気持ちを持つこと
であるということを、出来た人たちから学んだんですよ、

というお話です。

この内容は、多くの方からよい評価をいただきましたが、一方で、
「無条件に信頼・尊敬・感謝など出来ないのでは」
という方もいらっしゃったんですよね。

例えば、こんなメッセージをいただきました。

考えさせられました。ありがとうございます!
人事考課で人の良い点も悪い点も見なければならないし、比べて順位付けもしなければなりませんが、信頼、尊敬、感謝が邪魔になることもあると思います。
また信頼しても裏切られることが多々あると、周りへの影響もあるので組織運営がうまく行かないこともあるも思います。
時には否定をし、排除すら考えないと組織のためにならない局面もあります(もちろん人格否定ではなく、仕事の能力です)。

また、別の管理職の方からは、

一応ですが私は数十人の部下を束ねる管理職ではあるので、メンバーにはいろんな人が存在します。
出来るヤツ、出来ないヤツ、普通の人、・・・(こういうのがすでにレッテルを貼っていることになるのか?!)そんな中で、すべてにおいて相手の言うことを尊重して話を聞いて、仕事を進めようとすると、必ず横槍が入ったりします。
「だから甘いんだよ」
「今はそんな悠長なことを言っていられる状況ではない」etc…
すべてにおいて、スピードと効率化、そして利益が優先されるので、今日のお話にあったような対応で進めていくのは現在の企業理論からも厳しいものがあるようにも感じています。
そういった場合にはどのような対処が必要なのでしょうか?

もちろん、私の会社が特異な点もあるでしょうし、全てがそうだとは言えませんが、
★ 対峙する人に、信頼・尊敬・感謝の気持ちを持つ
ことと
★ 企業・組織としての効率化、利益志向、スピード対応
をどうやって両立するか。
非常に悩ましいと思いますが、水野さんならどうするか、是非ご意見いただければ幸いです!

というメッセージとご質問も頂きました。
ということで、今回はこの件について考えてみましょう。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
信頼・尊敬・感謝の気持ちはどう持てばいいか?──────────────────────────────────────

実は、以前の私も、このお二人のような考えが、ずっと頭から離れず、うまく信頼・尊敬・感謝の気持ちをもつことが出来なかったんですよね。
「無条件に信頼・尊敬・感謝の気持ちを持て接すること」
と、出来た人から教わり、それにチャレンジしようとするのですが、すぐに
「信頼したら、なんでも任せなければいけなくなるんじゃないか」
「たいしたことでもないのに感謝したら、つけあがるんじゃないか」
「あのレベルで尊敬したら、勘違いされるのではないか」
という不安がよぎり、無条件で信頼・尊敬・感謝など出来なかったんです。

そんなことに悩んでいたある日、ふと昔の恩師のことを思い出しました。

それは、高校時代にお世話になった宮田先生(仮名)。

人見知りで成績も悪かった高校1年の時の私を、温かく見守り、大きく成長させて下さった、恩師です。
そのエピソードには枚挙にいとまがないのですが、今回の件に関わるエピソードで今でも思い出すのが、「通信簿」の話。

宮田先生は現代国語の先生でした。

私は、現代国語は比較的得意ではあったのですが、1年生の2学期に、10段階評価で1をつけられたことがあったんです。

とはいっても、理由は単純。
夏休みの宿題を出さなかったという、実にはっきりとしたものだったんですよね。

理由は、反抗的だったわけではなく、面倒でやる気が起きなかったから、やらなかっただけなんですよね。

先生は「提出しないヤツは1を付けるぞ」とあらかじめ宣言していましたから、私が1を付けられるのは、当然でした。

中間・期末テストも、かなり良い点数を取ったのですが、それでも先生は、容赦なく1を付けたのです。

先生は、通信簿を渡すとき、
「水野、お前は夏休みの宿題を提出しなかったから1な」
と言われ、私は
「はい、わかりました」
と答えました。

会話はそれだけでした。

その後、冬休みをはさんで3学期になりました。
私は冬休みの宿題はきちんとやって提出しました。
そして、テストの点数も、きちんと良い点数を取ったところ、3学期の成績は、10段階評価で10を付けてくれたんですね。

そのとき、先生は通信簿を渡しながら
「水野、お前は宿題もやったしテストも良かったから10な」
と言われ、私は
「ハイ、ありがとうございます」
と答えました。

会話はそれだけでした。

これがよくあるパターンだと、
「水野、宿題を提出しないとは何事だ! 先生は失望したぞ!」
とか、
「水野、宿題もテストもよく頑張ったな! 先生尊敬するぞ!」
といったような会話になりますが、
宮田先生は、そういったことは一切言わなかったんです。

これは、つまりどういう事かというと、
★ 評価の世界に信頼・尊敬・感謝を持ち込まなかった
ということなんですよね。

評価はあくまでも基準値と照らし合わせて、感情的ではなく、客観的に行われるものです。

それに対して、信頼・尊敬・感謝というものは、出来た人たちの教えでは「最初から無条件にあるもの」となる訳です。

ということは、つまり、
★ 信頼・尊敬・感謝は人間関係のベースにあるもの
であり、そのベースの上に、評価というものが存在するのです。

逆に言えば、信頼・尊敬・感謝がベースになくては、評価など出来はしないし、してはいけない、ということになるんですよね。

しかし、本来ベースにあるはずの信頼・尊敬・感謝を評価の世界に持ち込み、相手の成果や能力とリンクさせて、 信頼出来るの出来ないの、と言いだしてしまうことが非常に多い。

だから、多くの組織で、問題視されるほど、人間関係がおかしくなってしまい、無意味に疲弊した人が増えてしまっているのではないだろうか。

宮田先生の振る舞いを思い出すと、そう思えてならず、それをまさに自分自身がやっていたということに気付かされたんですよね。

宮田先生は、私の通信簿に、1から10までの点数を付けました。
そういう意味では、評価は大きく変わった訳です。

しかし、それでもなお変わらなかったのは、私に向けて持つ信頼・尊敬・感謝の気持ちだったんですよね。

そして、私だけではなく、立派な優等生にも、手に負えない不良たちにも、分け隔て無く、信頼・尊敬・感謝の気持ちを持って、接していたように思います。

これを思い出したとき、自分が考えていた信頼・尊敬・感謝の気持ちの持ち方が、根本的に間違っていたことに気付くと共に出来た人たちからのアドバイスが、ようやく腹落ちしたのでした。
●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
今回のまとめ
信頼・尊敬・感謝は人間関係のベースであり、評価に持ち込むものではない
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●

今回は本編が長くなってしまいましたので、まとめ以降は短めに。
信頼・尊敬・感謝を実践するための参考として、宮田先生のエピソードを書いたメルマガを紹介しておきますね。

恩師からのメッセージ

人が生き続けるということ

教育者が陥る、教え子の心を折ってしまう典型的対応

久しぶりに読み返すと、涙が出ます。

こんな素晴らしい先生の生き方の価値に、やっと今頃気付く事が出来たというのは、情けなくもありますが、でも、今更でも気付けたことに、心から感謝しています。

********************************
Six Stars Consultingからセミナーのお知らせ
テーマ:新任人材育成担当者セミナー
~職場での実践行動につながる研修企画~フォローの進め方~

開催日:2015年7月14日(火)10:00~16:45 於 京国際フォーラム

テーマ:社内講師(インストラクター)レベルアップセミナー
~研修参加者の意欲と行動力を高める3つのポイント~
開催日:2015年8月6日(木)10:00~17:30 於 東京国際フォーラム

お問い合わせ先:(045)222-0737 平日:9:00~18:00
担当:Six Stars Consulting  原田