Monthly Archives: 5月 2015

正しいことを、どう伝えるか?

社内講師応援ブログ推進人の原田由美子です。

「~~すべき」
「~~するのが当然だろう」
といった言葉をよく耳にします。

しかし、そのような言葉をよく使う人のまわりを見ると、必要以上にその人に対して神経をつかっていたり、その人が言うとおりの形はできていたとしても、心がこもっていないなぁと感じることがよくあります。
あるいは、まわりの人がその人の価値観に合った行動を取らないために、その人自身が必要以上にイライラしているケースもあります。

とはいうものの、私も「~~するのが当たり前」と考えるタイプでした。
しかし、講師としてさまざまな価値観の人と接する中で、「~~するのが当たり前」というスタンスで参加者と接すると、参加者との距離ができ、満足いただけない経験をしてきました。

そのときにとても参考になったのが、コンサルタントとして意識や行動変革につながるカリキュラム構築のアドバイスや、講師としてリーダーシップ研修などで活躍する、水野浩志氏の次の話。
講師としての考え方を変えるポイントが明確になった話です。それを皆様にご紹介します。

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正しいことを言ってはいけないのか?
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私は折に触れて、
■ 正しいことを相手にぶつけるものではない
という話をしています。

自分が持つ正しさを盾に、相手を批判・否定するマインドで伝えても、人間関係を悪化させるだけ。

だから、いくら自分が正しいと思っていても、それをまっすぐに相手にぶつけない方が良いですよ。こんな話をしているんですよね。

このことについて、多くの人からは「その通りですね」といった同意のメッセージを頂くんですが、一部の方からは、
「では、正しいことを言ってはいけないのか」
「間違っている相手をほったらかしておいていいのか」
といったメッセージも頂きます。

そう言われてみると、私は「こうするな」とは言っていますが「こうした方が良い」ということは言っていません。

そこで今回は、正しいことをどうやって相手に伝えれば良いのかについて、考えてみましょう。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
正しいことの伝え方
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かくいう私も、以前は、正しいことを伝えようとすることがよくありました。
その時の心境を思い出してみると、
■ 正しいことは受け入れるべき
という気持ちが強かったように思います。

人間、不思議なもので、そう思ってしまうと、
★ 伝わるように伝える努力
を放棄してしまうんですよね。

その上、ストレートに伝えて、受け取られないと、不愉快に思う。
そんなことを繰り返していたわけです。

でも、そもそも人って、どんな話を聞き入れるんでしょう?
冷静に考えてみると、正しいことなら聞き入れる、というより
★ 自分にとって役に立ったり面白いと思える話
を受け入れるんだろうと思うんですよね。

そうであるならば、もしあなたが正しいことを伝えるのならば、その正しさを
・相手にとって役に立つような形に
または
・相手が面白いと思えるような形に
表現を変えていく必要がある、ということなんですよね。

正しいことを、単に分かりやすく伝えればいい、と思っていると、いつまでも伝えたいことが伝わらずに苦しむことになります。

ですから、伝えたい相手がどんなことに関心があるのか、また、どんなことを面白いと思うのかをくみ取りながら、伝わることに力を注いでみてはどうでしょうか。
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今回のまとめ
役に立つ、または、面白い話を人は受け入れる━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●
今回の話について
「面倒くさいなあ。何で正しいことを伝えるのに、そこまでこちらが苦労しなくちゃいけないんだよ」
と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

そんな方のために、伝える努力を全くしなくても、相手に伝わる方法をお教えしましょう。

それは何かというと、あなた自身が
★ 相手にとって役に立つ人
★ 面白い人という存在になる
ということ。

こういう存在になれたら、あなたの伝え方がどうであれ、相手はあなたの言葉に耳を傾けることでしょう。

では、どうしたら、そういう存在になれるのか、というと……残念ながら、あなたが面倒だと思っている前段の伝える努力を日々行っていくことが、一番確実な方法なんですよね。

相手のことを何も考えずにいる人が、役に立ったり面白かったりするケースは、まずありません。人の役に立ったり、人を面白がらせる人のほとんどは、相手のことに意識を向け、相手を理解し、その人に伝わる努力をしている人達です。

その努力の結果、多くの人から、「役に立つ人・面白い人」という評価を得ることが出来て、その結果、どんな話にも耳を傾けられる存在となるわけです。

ということで、大変かもしれませんが、是非伝える努力を怠らないようにして下さい。
それが、後々コミュニケーションで苦労しなくなる、一番良いやり方だと思いますから。

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価値観が異なる相手との接し方

社内講師応援ブログ推進人の原田由美子です。
5月に入り、新入社員が配属され始めた組織も多いのではないでしょうか。

さて、そんな時期に気になることが起きています。
実は、3月に公開した「新入社員が「希望した配属先と違う」と不満をもらしたら?」という記事に、4月中旬ごろからアクセスが増えているのです。
検索キーワードを見ると「配属先 違う」、「配属 不満」でアクセスされています。

さて、「配属先に不満」を持っている人が目の前にいたら、あなたはどう接するでしょうか?

先般の記事では「経験を伝えよう」という趣旨でお伝えしましたが、伝える前に、講師あるいはリーダーとして持っておきたい「スタンス」があります。

その「スタンス」について、カリキュラム構築アドバイザー、リーダーシップ研修講師として活躍する水野浩志氏に、「後ろ向きなメンバーへの対応」という視点でお話をいただきました。
ストレートに「配属先に不満を持つ相手」との接し方をご紹介する内容ではないですが、価値観が異なる相手に接する上での示唆を含んでいるので、考え方をつかんでいただけることでしょう。

前置きが長くなりました。それでは、本題へ!━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
良いことを言っているのに、伝わらないのはなぜ・・・─────────────────────────────────────
起業家支援や、企業研修などで大きな実績をあげ、さまざまな分野のリーダーが活躍できる環境創出に尽力されている、福島正信先生。私にとっては、メンターという存在です。

多くのリーダーに影響力がある福島先生の講演は、笑いあり、涙ありと、非常に面白く、感動的で、なおかつ、日々の生き方の役にも立つ素晴らしいものです。

講演会の会場には、そんな福島先生の言葉を聞きたいと、いつもたくさんの人たちが集まってきています。

しかし、私はずっと疑問だったんですよね。
何に疑問を感じていたのか。

福島先生のメッセージは、とても前向きで、積極的で、
【究極の理想】
を語っています。

そして、聞き手に対しても、そういった生き方をせよと提唱しているように聞こえるのです。

こういったメッセージは、前向きで、積極的で理想を追い求める人には、とても刺激的で、なおかつとても心地よく響いてきます。

しかし、企業内で実施する研修では、そんな人たちばかりではありません。
むしろ、逆のスタンス、逆のメンタリティの人の方が多いことも多々あるでしょう。

そんな人たちに対して【究極の理想】を伝えたら、批判を受けたり、ストレスを与えたりしないだろうか。

実際に、福島先生は企業内研修もされています。
そういった、後ろ向きで、消極的で、理想など最初っからあきらめているような人たちとも、たくさん接してきているはずです。

にもかかわらず、あれほどのパワフルなメッセージを受け入れる人たちが多いと言うことは、いったいどういうことなのだろう?そこに疑問を感じたのです。

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前向きな人に必要な「前提条件」
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前向きで、積極的で、理想を目指すことは、本当に素晴らしいと思いますし、私自身も、極力こういった生き方をしていこうと心がけています。

しかし、こういった生き方をしている人が、無意識に持ってしまう恐ろしい考えがあります。

それは何かというと、
■ 前向きに生きることが当たり前である
という考え。

それだけなら良いのですが、前向きな人の多くは、
■ 後ろ向きな人たちに対して、否定感や嫌悪感を持っている
んですよね。

そして、この感情が表に出てしまっているために、後ろ向きな人たちとの間に、距離ができています。

それだけで済むならば、人間関係がぎくしゃくする、という状況になるだけですが、組織では、そういう人たちは、リーダーというポジションになりますよね。

そうなると、前向きなリーダーが、後ろ向きなメンバーに対して、きつくあたったり、つらく当たるということが起きます。そういうリーダーがトップに立ち、大きな組織を作るとどうなるか。

そこで働く後ろ向きな人たちは、日々責められ、生き方を否定され、少しは前向きに生きようと思っていても、その芽をどんどん潰されてしまい、心身ともに疲弊していき……

そして、ブラック企業が出来上がる、というわけです。

このところ、某衣料量販店や某居酒屋チェーンといった、前向きな人たちからの評価が高い人物が経営している企業が、「ブラック企業だ!」と叩かれてしまっているのも、これらの経営者が、前向きに生きるのが当たり前で、後ろ向きに生きるのが悪だ、という考えを全面に押し出しているからだと思うんですよね。

では、あの経営者たちにも負けないくらい、前向きなことを言い放つ福島先生はどうなのでしょう。

実は、上の経営者たちが発するメッセージと、福島先生のメッセージとでは、大きく違うことが1つあります。それは何かというと、
★ 人はふつうは怠惰で後ろ向きだ
という前提条件に立っているんですよね。

ですから、福島先生の講演中には、時々、
「普通はこんなことできませんからね」
「人間は基本的には楽をしたい生き物ですから
といったように、後ろ向きの生き方をしようとしてしまう心のあり方を、きちんと受け入れるメッセージを発します。

この言葉がちりばめられているだけで、後ろ向きの気持がぬぐえない聞き手が、ホッとして、福島先生の言葉に耳を傾けるようになるんですよね。

だから、もしあなたの前向きさが、周囲との距離を生み出しリーダーシップが発揮できずにいたとしたら、福島先生が前提としている「人はふつうは怠惰で後ろ向きだ」という前提を受け入れることを試してみてはいかがでしょうか。
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今回のまとめ
「人は普通は後ろ向きで怠惰である」という前提条件を受け入れてみよう━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●

しかし、この後ろ向きな前提条件を受け入れるだけでは、前向きなメッセージを伝えることは出来ません。

福島先生は、この前提条件に加え、もうひとつの前提条件を持っています。それは何かというと、
★ しかし人は、前向きで充実した生き方を求めている
という前提条件です。

人間とは、この矛盾した両極の欲求を持ちながら生きている。
これを、両方認めた上で、前向きなメッセージを発信しているんですよね。

という考えにいたったのは、企業内研修で接する参加者の一部との間に距離ができていました。
そのことについて、どうしたものかと悩んでいたのです。

その時に、福島先生のこの考えに触れ、自分が「前向きに生きることが善」という価値観が強すぎるあまり、参加者との間に距離ができていたことに気づいたのです。そこで、人は矛盾した両極の欲求を持っている、という事を前提に、カリキュラムを見直し、発するメッセージも工夫していきました。

すると、面白いことに、参加者の態度が大きく変わってきたんですよね。
今まで、終始やる気が無いそぶりを見せていた人たちも、途中から目の色が変わり、最初は淀んでいた雰囲気だった参加者の人たちも、1日も経つとガラッと変わるという体験を、頻繁にするようになったのです。

しかし、一番大きな変化は、自分自身に起きました。
どんな変化が起きたか。

今までは、後ろ向きな参加者がいると「その人をなんとかしなければ」と肩に力が入ってしまったり「こんな後ろ向きな気持では、仕事も上手くいかないだろう」と否定的な気持で接してしまったりしていました。

しかし、福島先生のおっしゃる前提を元に切り替えてからは、どんなに後ろ向きな人がいたとしても、全くその存在に振り回されなくなったんですよね。

「たしかに、後ろ向きに生きた方が楽だもんね。
だから、そういった態度を取っちゃうのは、よくわかるよ。
でも、本当は、充実していきたいという気持もあるんだよね。
だったら、そんな生き方のヒントを掴んでくれたら、
オレ、今日ここであなたに会えた甲斐があるってもんだよ。
だから、しばらくこの研修につきあってね」

と、こんなゆったりした気持で、接することが出来るようになったんですよね。

当然のことながら、これだけの気持のゆとりがあり、相手を否定せず、受容しながら研修を行うのですから、参加者だって私のことを受け入れて、話を聞いてくれるんですよね。

後ろ向きの気持を受け入れ、それでも充実した生き方をしたいという事も理解した上で、相手とつきあうこと。

それは、相手にとって以上に、
★ 自分のリーダーとしての資質を高める、大切な考え
であるということ。

私は、この経験を通じて、痛切にそれを実感しているのであります。

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