Monthly Archives: 4月 2015

「種」が教えてくれた、人の育て方

社内講師応援ブログ推進人の原田由美子です。
講師として、さまざまなタイプの参加者に出会います。その中で、相手の「できていない」ことばかり目に付き、そのことに囚われ、空回りしてしまうことはないでしょうか。
そこで今回は、「カリキュラム構築アドバイザー」として、企業研修では「セルフリーダーシップ」の講師として活躍する水野浩志氏に、できていないことが多い参加者に対して、どのように向き合うとよいかを、自らの体験をもとに伝えていただきます。

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この未熟者めが!!
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私は、短気な性格も手伝って、未熟な人を見ていているとすぐにイライラしてしまう人間でした。

・なぜ、これくらいのことが出来ないんだろう
・もっと先を読めば良いのに
・もっと気を利かせれば良いのに

未熟な人たちの働きぶりを見ながらいつもこんなことを考えて、血圧を上げていました。

さらに、以前は抑えがきかず、思わずその未熟者に対して、厳しい口調で説教するなんてことをよくやっていました。

しかし、その結果、未熟な人たちを育てられたかというと、上手く育ったのはごく一部の根性のある人だけ。

そうでない人は、私からのプレッシャーに潰れたり、反抗して離れてしまったりといった形で、満足に育てたとはとても言えないような有様でした。

その後、コミュニケーションの勉強をして、話し方や伝え方を工夫することで、以前よりは成長する人も増えてきました。

しかし、相変わらず、未熟な人たちへの苛立ちは口には出さずとも感じていました。

そして、それを敏感に察知する人たちは余計なプレッシャーを感じたり、反発していうことを聞かず結局成長させることは出来なかったのです。

正直言いまして、この状況は数年前まで続いていました。

研修などでも、表面上は、参加者を受け入れるようなメッセージを発信しつつも、彼らの未熟な点を見つけては、
「何でそう考えるんだ! そうじゃないんだ!」
「ああ、もうこの人達を何とかして変えてやらんと!」
ということを感じながら、イライラしたり、焦ったりしていたんです。

だから、ものすごくエネルギーを使い、研修が終わる頃はヘトヘトになっていたんですよね……

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未熟な人を育てる人になるために
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未熟な人を見て苛立ちを感じている私は、自分自身をじっくり観察してみました。
するとどうやら、
■ その人自身に足りないものや欠けているものがある
と、強く信じているようです。

だから、その足りないものを埋めるべく、手を変え品を変え、足りないもの、欠けているものを、押しつけようとして、上手くいかずに悩んでいたんですよね。

ところが先日、たまたま家内がガーデニングでこれから蒔こうとしていた種を目にしました。

その時、なぜか突然、
■ 種を指さし「あれが足りない、これが欠けてる」と思うだろうか?
という疑問が頭に浮かび、頭の中で自問自答が始まったのです。

ゆくゆくは、花が咲き、実をつける草花も、一番はじめは、小さな小さな、一粒の種でしかない。
だけど、その種を見て、
「根が、茎が、葉が、花が、実が、足りない!」
と思うだろうか。

さらには、そう思いながら、根や、茎や、葉や、花や、実を、その小さな種に押しつけようとするだろうか?
そして、そうやって押しつけていけば、果たしてその種は、立派に成長するのだろうか?!

当たり前だけれど、そんなやり方では、絶対に満足に花を咲かせ、実らせることなど出来ない。

「この種は、きっと素晴らしい花を咲かせ、美味しい実をつける!
そのために必要なものは、全て種の中にある!!」

そう信じたうえで、その種を土に植え、日の光を当て、水や肥料をやりながら育てていくではないか。

人を育てるのだって、同じ事だろう。

つまり、未熟な彼らは、決して足りない人ではなく、
★ 全て必要なものを持っている、未だ芽吹いていない「種」の人
なのだ。

だから、やがて大輪の花を咲かせ、たわわな実をつけることが約束されていると信じ、そう育つような環境を整えてやることが種を育てる人の大切な役割なのだ!

……ここまで考えたとき、不思議と、今まで感じていた、未熟な人に対しての苛立ちが、はらはらと消えていき、その代わり、彼らに対して、暖かな愛情の気持ちが芽生えてきたのでした。

面白いことに、こういった心のあり方になってからは、研修での参加者の雰囲気や反応や研修後の様子が、大きく変わってきたんですよね。

たとえば、今までは、参加者が積極的に参加してくれるようになるまで時間がかかったんですが、その時間も大幅に短縮されました。
また、こちらから発したメッセージが心に残る度合いも今まで以上に深まっているように感じます。

成長の成果はこれからですが、今まで以上に確かな手応えを感じるようになったのは間違いありません。
講師業が、ますます楽しくなってきています。
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今回のまとめ
未熟な人は、足りないのではなく、必要なものを全て内包している種なのだ
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コーチングでは、
「クライアントは生まれつき創造的であり、全てを持った存在である」
という言葉があります。

私は、15年以上前から、折に触れてコーチングの勉強をしているので、この言葉も、もう何度も目にしてきました。

しかし、何度目にしても、この【考え方】が、どうにもしっくりこなかったんですよね。
たしかに、言葉としては、非常に素晴らしいように思える。

でも、現実的には、創造的ではない人もいるし、全てを持っている人などいないではないか。

そう思って、この【考え方】を振り回し、質問する事ばかりに固執し、アドバイスや意見をする事をかたくなに否定するコーチを、冷めた目で見ていました。

そして「自分はコーチなんか出来ないなぁ」と思い、コーチングというものに、気持の上で、一定の距離を置いていたんです。

しかし、今回、この「未熟な人は種なのだ」という答えに至ったとき、頭ではなく、心から、これらの言葉を、納得して受け止めることが出来るようになりました。

つまり、この言葉は
★ 育てる人がもつべき【考え方】ではなく【あり方】である
という事だったんですよね。

表層的な理屈ではなく、未熟であっても、種が芽吹くことを信じ、そして、その種にとっての最高の花が咲くよう、向かい合って育てていく。

果たして、この解釈が正しいのかどうかは分かりません。

しかし、少なくとも今の私は、
★ 人はみな、すでに成功するために必要な全てを持っている
という言葉を、腹の底から信じられるようになったことを、

自分自身、心から嬉しく思っているのです。

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「日報」導入後、モチベーションが下がった理由

社内講師応援ブログ推進人の原田由美子です。
4月も後半になり、新入社員も職場に配属される頃。
職場配属後に、OJTを担当する方と新入社員の間で「日報」を活用される組織も多いのではないでしょうか。

しかしその日報。意外と、新入社員のモチベーションを低下させる要因になっているようです。
今回は、職場で日報を取り入れたことにより、かえって志気を落としてしまったケースを元に、「カリキュラム構築アドバイザー」として、「リーダーシップ研修講師」として活躍される水野浩志講師がアドバイスします。
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日報を使い始めたんですが……
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ある企業の管理職の方から「日報が上手く機能しない」という相談を受けました。
日報は、部下が毎日の行動を記入して管理職に提出。管理職が何らかのコメントを記して部下に返却する、という流れになっているとのこと。

このやりとりを通じて、部下とコミュニケーションをしっかりとって指導に当たって欲しい、という意図をもって始めたそうです。

しかし、指導のためのコミュニケーションツールである日報が、機能していないとのこと。毎日使っていることは使っているそうですが、うまくコミュニケーションが取れていないというお話です。

ということで、ちょっとその日報のシートを見せてもらったんです。

すると、上司の皆さんは、コメントはしっかり書いています。内容も「部下を成長させてやりたい」という気持が、充分に伝わってくるようなものばかり。

しかし私は、その上司のコメントを見て、
「うーむ……」
と唸りました。

というのも、多くの方に共通する、ある大きな過ちをやってしまっていたからなんです。

それは何かといいますと……━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
指導と評価
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指導と評価というのは、部下に対して上司が行う2大業務といっても過言ではないでしょう。
上司の皆さんは、日々、この2つのことを意識していらっしゃいます。
研修などでも、部下を持つ方たちの悩みとして、この2つの話を聞くことが多々あります。

そんな上司が、部下にどう接しているのかを話を聞いてみると、
■ 指導すべきときに評価をしてしまっている
ことが頻繁に起きているようです。

さらに問題なのは、その上司が、
■ 評価をしているのに指導していると思い込んでいる
ということなんですよね。

それでも、上司が部下を高く評価していれば、部下も上司の話を受け止められるでしょう。

しかし上司が、部下の足りないところを伸ばしてやろうと思って接するとどうなるか。
上司は指導のつもりでも、部下は上司から、
「お前はこれだけ出来ていない」
「お前はここが駄目なんだ」
という評価を受け続けることになるわけです。

そんなマイナス評価を喜んで受けられる人は、この世にそんなに多くはないでしょう。
そんなことをしているうちに、部下が自信ややる気をなくしてしまったら、本末転倒と言わざるを得ません。

部下に指導するべき時に評価を下していないかどうか。
部下を育てようとする際には、是非このことを自問自答してみて下さいね。
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まとめ
指導+成長した点を見つけフィードバックしよう
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かくいう私も、指導しているつもりで、評価になっていることがよくあります。

それは、自分自身が足りないところや出来ないところを改善しながら成長させてきたためです。そのため、どうしても相手の出来ていない所に目が向いてしまう。

そして、それを指摘してしまいます。しかし結局それが、相手に対して、ただのマイナス評価を伝えただけとなってしまうという、実に情けない状態。

でも、指導とは、まさに文字通り
★ 指し示し、導くこと
です。

そして、指し示すのは、出来ていないところや、足りないところではなく、
★ その人が向かう方向
なんですよね。

そこを指し示しながら、しっかりと導いていくことが出来たら、出来ていないところや足りないところは、こちらがわざわざ指摘しなくても、本人自身が気づいてなんとかするでしょうね。

もちろん、人を育てる一環として、評価をすることは大切なことです。
出来ていないところ、足りないところを、指導者がきちんと把握することは必要です。

しかし、その評価を、きちんとした考えもなく、そのまま相手に伝えるのは、きちんとした指導とは言えず、ただ単に「評価を下した」だけになってしまいます。

一番大切なことは、相手に評価を下すことではなく、相手の成長を支援すること。

新入社員など、まだまだこれから伸びしろがたくさんあるメンバーであれば、部下が努力した点、成長した点を見つけ、そこを伝えればそれ以外の部分も、部下自ら補う努力をしていくことでしょう。
そうなれば、日報が強力なコミュニケーションツールになります。
かかわるスタンス次第。ぜひ、役立てていってください。

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講師はメンバーのモチベーションをコントロールできるのか?

社内講師応援ブログ推進人の原田由美子です。
ずっとうつむいたままの人、外や時計ばかりを気にしている人、話し合いに参加しない人、「こんなことをやっても無駄だ」という人。「モチベーションが低い」と感じられる参加者への対応に、悩んだ経験を持つ人もいらっしゃるのではないでしょうか?

今回は「モチベーションが低い」と感じられるメンバーとのかかわり方のヒントを、プロの講師を対象に「カリキュラム構築アドバイザー」として、企業研修では「リーダーシップ」研修などで活躍する水野浩志講師に紹介いただきます。
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上司から大変な依頼をされて……
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ある研修に参加された、課長職としてお仕事をなさっている坂上さん(仮名)からこんな相談を受けました。

「水野さん、上司から、『モチベーションの低い連中を集めるので、彼らのモチベーションを上げてくれ』と持ちかけられてしまいまして……」

話を伺うと、とある職場の従業員に、少々やる気に欠けるメンバーがいるそうで。
その中でも、特に下がり気味と思われる15名を選び、彼らのモチベーションを上げ、自主的に行動してもらうようにしなくてはいけないとのこと。

なかなかの難題を押しつけられ、一体どうしたらいいのかと悩んでいるそうです。
いやはや、何とも大変な役回りを押しつけられてしまったようです。
さて、あなたが坂上さんの立場に立たされたら、いったい何をすればいいと思いますか?

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人を変化させるときに大切な考え方
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今回の坂上さんの上司は、坂上さんに任せた方たちのことを、どうとらえているでしょうか。

言葉だけを拾って考えてみると、
・モチベーションが低い
・自主的に行動しない
といっているように思います。

こう思える人たちに対して、ついついやってしまいがちなのは、
■ お前はダメだ!
というところから入っていくアプローチ。

彼らのモチベーションは低く、自主的に行動しない、というのは事実かも知れません。しかし、その事実をもって、「ダメだ」といった評価をし、それを相手に下してしまうとどうなるか。

自分を否定されて発憤できるのは、モチベーションが相当高い人たちだけ。

モチベーションが低い人たちにそれをやってしまうと、おそらく、さらにモチベーションを下げ、やる気を失わせてしまうことになるでしょう。

さらに、そのような人たちは、人の目線も結構気にしますので、あなたが言葉にしなくても、気持の中で、彼らに「ダメ」の評価をしていると、きっとそれを察して、さらにモチベーションを下げてしまうことでしょう。

ですから、まず重要なのは、
★ 彼らを評価するのではなく、彼らの現状を把握をする
ことに努めることでしょう。

その上で、この仕事を依頼した上司に対して、
・モチベーションを上げるとはどういう状態か?
・自主的に行動するとはどういう状態か?
ということを、具体的に一人ひとりについて、言及してもらうこと。

その上で、彼らが置かれた現状と、上司が期待する状態とのギャップを、彼ら自身に理解してもらう。

そこまで出来たら、そのギャップを埋めていくために、どうすればいいかを考え、具体的な行動の一歩を決める。

現状と期待のギャップを埋めていく方法は星の数ほどあり、置かれた状況や、その人の個別の性格や能力によって、変わってくると思います。

しかし、今回お伝えする
・評価を交えずに現状を把握する
・上司の期待を具体的にする
・両者のギャップをどう埋めていくかを考える
というプロセスは、どんな状況であっても、使えると思います。

ですから、もしあなたが、今回の坂上さんのような立場に置かれているとしたら、是非このプロセスで、接してみて下さいね。
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今回のまとめ
他人を安易に評価せず、現状を把握した上で、
上司の具体的な期待を確認し、そこに向けてのギャップを埋めていこう!
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今回のお話で、非常に興味深い点は、坂上さんの上司のリクエストです。
その方は、坂上さんに対して、
・モチベーションを上げて欲しい
・自主的に行動して欲しい
というリクエストを投げかけた訳です。

言葉通りに受け取れば、これら2つのことを、坂上さんが実現しなければいけないことになります。

しかし、モチベーションも自主的な行動も、
■ 本人以外はコントロール出来ないもの
なんですよね。

何か話を聞かせてモチベーションを上げることは出来ると思われる方もいるかもしれませんが、あくまでも人の話は刺激でしか無く、実際にモチベーションを上げるのは本人です。

自主的な行動に至っては、それを他人がコントロールしたら、もはや自主的でもなんでもない、ということになってしまいます。

にもかかわらず、それを他人がどうにかしようと、強引に関わって来るから、モチベーションが下がったり、自主性が無くなったりするケースが非常に多いのではないでしょうか。

かくいう私も、今までの自分を振り返ってみると、こうした相手をコントロールしようとする関わり方をしていたことが多々ありました。

そして、当然うまくいきませんでした。
その時は、決まって
■ 相手のことをダメだと評価している
んですよね。

こんなダメ評価のマインドを持っているから、人をコントロールしたくなるわけで、そんな気持で自分をコントロールしようとする人が近づいてきたら、そりゃあ相手だってドン引きしますし、いうことだって聞きはしませんよね。

ですから、このことに気づいてから、私が出来る事は、
★モチベーションが上がりやすく、自主的に行動しやすい環境を整えてあげること
しかなく、その環境を作りをした上で、相手に接するときは、
★相手を一切評価せず、信じて応援する気持ち
を持つことを心がけるようになりました。

まあ、昔付いたクセがなかなか抜けず、うまくいかないこともあるのですが、この心がけを持って接するようになったら、以前よりも、相手にとって良い変化が生まれるようになったケースが格段に増えたように思います。

確かに楽な仕事ではありませんし、時間もそれなりにかかると思いますが、是非このマインドセットとプロセスを忘れずに、人の成長の支援に取り組んでいって欲しいと思います。

坂上さんはじめ、同じ立場に置かれている皆さん、ファイト!

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日時:2015年8月6日(木)10:00~17:30
講師:株式会社マイルストーン 代表取締役 水野 浩志 氏
(Six Stars Consulting株式会社パートナーコンサルタント)
会場:都内近郊
参加者の職場実践を促進する、カリキュラムの構築と効果的な動機づけ手法について、実践的に習得いただくプログラムです。

「やってはいけないこと」が分からない人への関わり方

社内講師応援ブログ推進人の原田由美子です。
4月に入り、新入社員研修がスタート。
希望にあふれ、意欲高く取り組む彼らと接すると、こちらのモチベーションもアップしますね。
そんな中、意欲があふれすぎ少々行き過ぎるメンバー、組織の中でどこまでのラインが許されるのかわからず、オーバーランしてしまうメンバーなどいらっしゃいませんか?

そんな彼らへ、チャレンジ精神を失わせずに注意を促すのは意外と難しいもの。
もっとも影響があるのは、行き過ぎるメンバーではなく、それを見ているメンバーだったりしますしね。

ということで、今回は行き過ぎてしまうメンバーに対する指導する側のスタンスについての、水野講師のアドバイスです。

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赤毛のアンは罰ばかり受けていた
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昨年は『アンと花子』でも取り上げられ、あらためて注目をあびた『赤毛のアン』。
原作は、映画やアニメにもなり、多くの人たちの心を虜にしました。私もそのうちの1人でして、ミーガン・フォローズ主演の映画は、何十回見たかわからないぐらい見ました。

ストーリーは、男の孤児をほしがっていた老兄妹のマシューとマリラの元に手違いでやってきてしまった赤毛の女の子、アン・シャーリー。
その彼女が2人に受け入れられ、そして成長していく姿が描かれている物語ですが、主人公のアンの行動が、もう、とんでもないんですよね。

マリラの友人であるレイチェルを、引き取られて早々であるにもかかわらず怒鳴り散らしたり、赤毛をからかったギルバートの頭を、思い切り石版で叩いたり……

アンはその都度、部屋に閉じ込められ、黒板に「自分は悪い子です」と100回書かされる、といった罰を受けています。
さて、これらの罰を受けて、果たしてアンは心から反省したのでしょうか?

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罰則で人は成長するのか?
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このような形で情報発信するにあたり、改めて赤毛のアンの映画を見直してみたんですが、興味深かったことが2点ありました。

まず1つ目、
■ アンは罰を受けたことによって反省したことはなかった
ということ。

レイチェルを罵倒したときも、ギルバートを石版で殴ったときも、罰を受けたことによって反省をしているそぶりは全くありません。
確かに、目上の人を罵倒したり、乱暴を働いた、ということ事態は反省しているところを見せました。

しかしその反省も、罰を受けることによって生まれたものではなく、あくまでも自らの行動を振り返ってのこと。かつ、自分の行動をすべて反省しているわけでもなく、あくまでも部分的な反省であり、相手に対して100%わびることはありませんでした。

つまり、罰を与えた側の思惑というものがきちんと機能していなかったわけです。

もう1つ、映画を見ていておもしろかったのは、
■ アンが罰を受けるシーンが、後半は全く出てこなかった
ということ。

アンは、成長しても突飛でうっかりな行動はなくなりません。
屋根から落ちて足をくじいたり、プリンのソースにふたをせず、ネズミをおぼれさせてしまったり、穴の空いた船に乗っておぼれそうになったりと、とにかく騒ぎを起こしていきます。

しかし、物語の後半になると、そのことに対して罰を与える、というシーンがほとんど出てこなくなったんですよね。まあ、フィクションの物語だからだといわれてしまえばそれまでなんですが、しかしこれにも意味があると私は思うのです。

なぜなら、この映画で描かれていることは「アンの成長」であり、罰を与えられたアンが、ちっとも反省していない姿を描いているのは、
■ アンは罰によってコントロールされる人間ではない
ということを表していることになるんですよね。

だから、多分マリラはアンに対して罰を与えるという教育をすることはしなくなっていったのでしょう。

その甲斐あって、アンはのびのびと育ち、自分の力を存分に発揮出来、あれだけすばらしい女性に育ったのだと思うのです。

もちろんここまで成長できたのは、マリラがアンをちゃんと受け止め、人として接してきたからこその話であり、またアン自身の性格や資質も相応にあったからこそでしょう。

でも、この映画を見ると、
■ 教育的見地で考える、罰を与えることの効能
というものについては、よくよく考えないといかんなあと思うのです。
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今回のまとめ
人は、罰を与えることで成長するのではない━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●

今回は一貫して、教育的観点で罰というものを考えてみました。
その上で、改めて思うのは、
■ 罰は、人を育てるということに直接つながらない
ということ。

罰を与える目的は、あくまでも
■ 許される行動規範を示し、それから外れさせないこと
でしかないんですよね。

言ってみれば、ここからここまで行動していいけど、この線の向こう側にいっちゃ駄目だよ、超えたら痛い目に遭うよ、という境界線を教えることが、罰を与える目的になると思うんです。

ここには、成長の要素は殆どありません。

しかし、多くの人は、罰によってコントロールされやすいため、往々にして指導者は、罰を教育の現場に安易に持ち込んでしまうんですよね。

もちろん、罰は一切不要だとは言うつもりはありません。

でも、多用するのは、教育者としては手抜きだと思うんです。

罰で指導者が期待する行動を起こさせるのではなく、自発的に行動を起こしたいと思わせるような教育が必要でしょう。

アンは最初、孤児ゆえの偏見で色々と虐げられていましたが、持ち前の明るさとイマジネーション、そして、ギルバートへのライバル意識で、勉強が出来る生徒に育っていきました。

しかし、ミス・ステイシーが教師としてアンの学校に赴任してからは、彼女がアンの資質を認め、それを最大限に支援したことが、彼女の、人間としての大きな成長につながっていたように思います。

その後、アンは学校の先生になりますが、彼女もまた、生徒たちを信じ、応援することを信条とする教育を行っていたようにみえます。

こうして考えると、もしあなたが教育者の立場にいるなら、まず、

★ 相手を信頼し支援しようとしているか

ということを、罰を与える前に十分やっているかどうか、確認しておくことは必要かもしれませんね。

罰はいつでも与えられます。

その前に、教育者として、本当に相手を信頼し支援しているか、是非自問自答してみてくださいね。

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メンバーの意欲が落ちるルール、高まるルール

社内講師応援ブログ推進人の原田由美子です。
今日から4月。多くの企業が新年度を迎えています。

スタートの時期に大事なこと。それは「チームの立ち上がり」。
研修でも、早く場が作れるのとそうでないのでは、成果に大きな差が出ます。

そこで今回は、研修でメンバーに意欲高く参加してもらうために、また、人材育成部門内でのチームの立ち上がりに効果を上げる着眼点を、プロの講師を対象に「カリキュラム構築アドバイザー」として、企業研修では「リーダーシップ」研修などで活躍する水野浩志講師に紹介いただきます。

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このルールを作ったのは私なんです( ̄^ ̄)
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以前、あるセミナーに参加したときのこと。

企業の管理職の方と隣同士になり、少しお話しする機会がありました。
その時の話です。

セミナーのワークで、
「最近達成感を感じたこと」
というのを、グループ内で発表する、というのがありました。

それぞれ、思い思いの出来事を語っていったのですが、その管理職の方の発表内容が、
「社内のルールを作って周知徹底した」
というもの。

その方のお勤め先は、誰もが知っている大手企業で、私の知人も何人か勤めており、企業で研修をすることもある私は、ちょっと興味があって、
「どんなルールを作ったんですか?」
と聞いてみました。

そうしたら、その方は、聞いてくれますか! といった雰囲気を前面に出しながら、
「まずですね、社内にこんな問題がありまして、それを解決するために云々・・・・・・・・」
と語り始めてくれました。

しかし、その話を聞いているうちに、私は何とも言えないざわざわした気持になってきたんです。

ただ、その時はその理由がわからず「すごいですね!」というメッセージだけ伝えたのですが、家に帰ってモヤモヤ考えていたら、これが気持がざわついた原因なのかな、と思い当たるものを見つけました。

それは何かといいますと……━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ルールがあることで得られるもの、失うもの
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組織の中で問題が起き、それを解決するためのルールを作ろう、という事になったとします。

そんなとき、多くの人は
■ 禁止事項・制約事項を作る
事にエネルギーを注ぐようです。

一番わかりやすい例が、セクハラ防止のルールでしょうか。
ちゃん付けで名前を呼んではいけない、
肩を叩いたりといった接触行為をしてはいけない
恋人いるの? 等と聞いてはいけない
などなど、それはもうたくさんの禁止事項が盛り込まれています。

もちろん「人が不快になる行為をしてはいけない」という意味では、禁止事項というものは必要不可欠でしょう。
そして、禁止事項を作ることで、問題が生じにくくなったり、問題の解決が早まったりする事も間違いありません。
しかし、必要最小限の禁止事項を越えて、何でもかんでも禁止事項や制約事項をしてしまうとどうなるか。

目先の問題は無くなりますが、それと一緒に
■ 組織の中にいる人たちの思考力とモチベーションが下がる
ように、私は思えてならないんですよね。

そしてそれは、表面的な問題を無くすための代償としてはあまりに大きすぎるリスクだと私は思うんですよ。

先にご紹介した管理職の方が教えてくれた社内ルールも、一言で言って、ルールの内容が禁止事項のオンパレードでした。
それで確かに表面的な問題は解消したのでしょう。
しかし、その会社で働いている知人に話を聞いてみると、社内的なモチベーションは、決して高いとは言えないという状況のようで、その理由の一端が、禁止事項の多いルールにある、と言っていました。

せっかく、優秀な能力を持った人たちが集まっても、このようなルールで能力が発揮できなくなってしまうのは、非常にもったいない話ですよね。

ですから、もしあなたが、組織でのルールを作ることが出来る立場にいるのであれば、必要以上に禁止・制約事項を作っていないかどうか、是非見直してみて下さいね。
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今回のまとめ
禁止・制約事項以上に、奨励事項・容認事項を設けることに力をかけよう━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●

では、いったいどんなルールを作れば良いのか。
答えは簡単で、
★ 奨励事項・容認事項を作る
事です。

こういうことをすると良いね、ここまではやっても良いよ、といった、認められる行動を具体的に明記してあげること。これもまた、立派なルールなんですよね。

実際、従業員がよく考え、モチベーションが高い組織には、禁止・制約事項のルール以上に、この奨励・容認事項が多く盛り込まれています。

例えば、高級ホテルとして有名なリッツカールトンでは、全従業員に対して、彼らが独自に判断して、お客様にサービスをしてもいい予算が与えられているそうです。

従業員たちは、お客様を喜ばせるために、その予算内で工夫を凝らしてサービスをしているわけです。

当然のことながら、自分の頭で色々と考えるでしょうし、自分に権限が与えられている範囲で自発的に行動するわけですから、モチベーションだって高いでしょうね。

ということで、ルールを作る際には、禁止・制約事項だけでなく、ぜひ奨励・容認事項も、併せて考えてみてくださいね。