社内講師応援ブログ推進人の原田由美子です。
そろそろ、新入社員研修の準備をスタートする時期。
学生から社会人へと意識・行動を切りかえるために、新入社員研修を実施しますが、そこで、どのようにアプローチすると、彼らは意識・行動を切りかえられるでしょうか。
プロの講師を対象にカリキュラム構築アドバイザーとして、企業研修では「リーダーシップ」研修などで活躍する水野浩志講師が、「育成する側」が持つべき視点をお伝えします。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
いつまでも学生気分じゃ困るんですよ
─────────────────────────────────────
毎年3月前後は、プロとして活躍する講師仲間は、新入社員研修の打ち合わせで飛び回っています。
そんな、講師仲間からよくきく話し。それは、
新入社員研修の打ち合わせをすると、発注元のご担当者様から、
「いつまでも彼らが学生気分じゃ困りますんで、ぜひ<仕事は厳しい>という事を、教えてください」
というリクエストをされるそうです。
確かに、変化が激しい社会、のんびりゆったり、学生気分のままでいられたら、あっという間に会社は傾いてしまうことでしょう。
しかしながら、私が思うに、新入社員達に1番はじめに仕事の厳しさを教えるというのは、絶対にやってはいけない事だと思っているのです。
その理由はといいますと……
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
新入社員に教えなければいけないものは?
──────────────────────────────────────
そもそも、仕事って何でしょうね?厳しさを実感するためにやるものでしょうか?
そうではないですよね。
私が思うに、何かしらの価値を生み出して提供することにより、社会に貢献することが、仕事というものだろうと。
その為に自分たちは、ひとつの理念の元で、価値を創造し、提供するために行動していくわけです。そうやって、社会に多くの価値を提供し、貢献することが出来たら、おそらくはたくさんの人から、感謝の言葉を頂くことでしょう。
その感謝の言葉を頂くことは、何よりも嬉しく、喜ばしい ことであり、さらには、売上や利益をも生み出します。
と、こういうことを、各社の理念や状況に合わせて伝えて行くことこそが、1番大切なのだと、私は思うんです。
つまり、新入社員に1番はじめに教えることとは、
★ 仕事とは、理念に従って社会に貢献し、人に喜ばれ感謝されながら利益を生み出す、楽しくやり甲斐のあるもの
である、という事なんですよね。
もちろん、それを実行するのは、簡単ではないでしょう。
いや、むしろ大変であり、おっしゃるとおり、厳しい状況におかれることも、多々あります。
しかし、その厳しさの向こう側には、社会の貢献と、人々からの感謝と、利益が待っているのです。
そういうことを教えずに、いきなり「仕事は厳しいものなんだぞ」と教えてしまうのは、私に言わせれば、ものすごい嫌がらせでしかなく、誰の得にもならないと思うのです。
新社会人となる彼らにとって、最初に学ぶことによって、彼らの一生の考え方が決まると言っても過言ではありません。
そんな彼らに、まず1番はじめに何を教えるか。よーく、よーく、考えてくださいね。●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
今回のまとめ
仕事の厳しさを教える前に、まず、仕事を通じて得られる喜びを教えよう━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●
「仕事は厳しいものだと言うことを教えてくれ」というリクエストはとても多いようです。
近年の経営環境は非常に厳しく、そうした経営環境に対応していくためにも「仕事は厳しい」と言うことをことさらに伝えたがっているようなんです。
でも、これもまたおかしい。
そもそも、仕事が厳しくなったのは、一体誰の責任なのでしょう。
おそらくは、学生時代を過ごしてきた彼らのせいではなく、社会で働いてきた、先人である私たち社会人が生み出した結果でしょう。
そういう事態を招いてしまったことを棚に上げて、新社会人に「仕事は厳しいものだ」と教えるのって、なんか図々しいような気がするんですよね。
そう考えてみると、1番はじめに教えることは、新入社員達に仕事の喜びを教える前に、まず私たち自身が、
★ 仕事とは他人に喜びを提供するものであるという本質
を、今一度深く理解する必要があるのではないかと思うのです。
そうすれば、新入社員は先輩である皆さんの態度や行動から自ずとその本質を汲み取っていくはず。
新入社員研修の準備を進める中で、あなたにっとっての「仕事とは」をあらためて考えてみてくださいね。