Monthly Archives: 1月 2015

「伝えたはずが・・・」が起こるワケ

今回は、スタジオジプリの鈴木さんのお話をもとに、講師をする上であらためて心に留めておきたいことをご紹介します。

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●伝わる地図を描く
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「崖の上のポニョ」のメイキング映像付きのブルーレイディスクを買ったときのこと。このブルーレイディスクに、オマケのディスクがついていました。
それは、以前NHKで放映された番組、「課外授業・ようこそ先輩」というもの。

この番組は、著名人が自分が卒業した小学校に出向き、子供達に授業をするというもので、ディスクには、スタジオジブリのプロデューサー鈴木敏夫さんの授業が収録されていました。

その時の授業のテーマは「伝わる地図を描く」というもの。
小学校から、自分たちが好きな場所へ行くための地図を子供達に描かせるというものでした。
子供達は思い思いに地図を描き、それを鈴木さんが見て、アドバイスを行います。

すると、最初は上手く描けなかった子供達が、アドバイスを受けて立派な地図を創り上げて 行く、その成長ぶりは、本当に素晴らしいものでした。
その授業は2日にわたって行われました。

立派な地図が作れるようになった子供達に向かって、授業の最後に鈴木さんは
読み書きソロバンの意味を伝えました。

私は、その時の話を聞いて、あらためて読み書きソロバンを理解することの重要さを理解したのでした。

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● 読み書きソロバンの本当の意味
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読み書きソロバン、という言葉は、おそらくどなたでもご存知でしょう。
この3つは、教育の根本を成すものである、といわれています。

ところで、「この3つの意味を、きちんと言えますか?」と聞かれたらいかがでしょうか?

読むとは?

書くとは?

ソロバンとは?

「文字通りの意味だろう」と思う方もいるかも知れません。

私も、今までそれくらいに思っていました。

また「読み書きソロバンの勉強はどんなことをしたか」と聞かれたら、
漢字の書き取りや、教科書の朗読、算数ドリル、といった事くらいしかあげられませんでした。

しかし、鈴木さんが伝えていたのは、
・「読む」とは、相手の伝えたいことを正確に読み取ること

・「書く」とは、自分の伝えたいことを正確に表現すること

・「ソロバン」とは、数字をきちんと把握し、正確な答えを出すこと ということ

でした。 このことについて「当たり前だろ」と思う人もいるかも知れません。

では、 「あなたは読み書きソロバンが【本当に】出来ていますか」 と、
面と向かって問われたら、胸を張って「YES」と答えることが出来るでしょうか。

私はたくさんの人に会う仕事をしていますが、私自身も含め、
読み書きソロバンが【本当】に出来ている人は、ほとんどいません。

そして、その、出来ていない、ということを自覚できていない人も、非常に多いと思うのです。
だから、思い違いやすれ違いといった事が、それはもう 日常茶飯事のように起きてしまうわけです。

映画プロデューサーとして、たくさんの人を動かしている 鈴木さんは、
まさにこの読み書きソロバンが出来るか否かで、 自分のビジネスの成功が決まるわけです。

つまり、読み書きソロバンの意味や価値というものを、 ある意味知り尽くしている人であるとも言えましょう。

そのため、鈴木さんが、生徒達に対して、地図を描く事を通じて、 自分の伝えたいことを分かるように伝えるためのアドバイスは ひとつひとつがとても納得のいくものでした。

そのアドバイスを聞きながら、「子供の頃にこういった授業を受けてみたかった」 と痛感しつつ、また、改めて、「読み書きソロバン」という ものの、本当の意味をじっくり考えさせられたのでありました。     ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
あなたは、本当に「読み書きソロバン」が出来ていますか? ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●

では、本当の「読み書きソロバン」が出来るためには、 一体どうしたら良いでしょうか。
私を含め、これが出来ていない人に共通していることは、

■ 自分が出来ていない、ということが分かっていない

ということ。
だから、読み書きソロバンが出来ていない人ほど、

「自分は出来ているよ」

という言葉を、簡単に口にしてしまいます。

少なからず、これが出来ている人たちというのは「あなたは出来ているか」という質問をされた時、必ずと言っていいほど、 「果たして自分はきちんと出来ているだろうか」 と自問自答するでしょう。

自分が書いていること、自分が読み取っていることに対して、常に 「これで大丈夫だろうか?」 と問い、本当に読み書きソロバンが出来ているかを確認しようとする意識を持つ。
そうすれば、本当の意味での、この3つの能力を高めていくことが出来るのでしょう。
講師の仕事に取り組む上で大事なことは、自分が出来ていないことは知った上で、
できるようになるための工夫や努力をする姿を見せること。

もし、「自分は出来ているよ」と思ったときは、出来ていないというサインと受けとめ、 本当に自分が出来ているかどうか、ぜひ入念に確認して下さいね。

次回は、鈴木プロデューサーがどのようにアドバイスをしていたか、ご紹介しますね。

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「行動変容」を起こすカギ

前回は「聴きたいと思う気持ちづくり」の大事さをお伝えしました。
今回はその理由を考えていきましょう。

それでは質問です。

そもそも研修とは、何でしょうか?

私は、次のように定義しています。
「講師が、決められた時間、決められた場所で、複数の聞き手に対して、
情報・環境・人間関係を提供することにより、目的とする変化・成長を促すもの」

そして、人は成長すると、最終的にはその人の言動に変化が現れるものです。
なので、「成長=行動変容」と言えるのではないか、と私は考えています。
下記が私が考えるイメージです。

シンプルな話なので、どなたでも理解できることでしょう。
しかし、研修を実施してもその場限りで終わってしまったり、教えたことが実践されないことも多いと聞きます。また、私もそんな経験を幾度となくしてきました。

その原因はなんでしょうか?

実は、「行動変容」が起きるプロセスというのがあるのです。
これを理解しているかどうかで成果に差が出ます

講師は「知識や情報」を提供しますが、その後、本人の「感情」が動かなければ「行動」にはつながらないんですよね。 

そのため「感情」に働きかける「聴きたいと思う気持ちづくり」がカギになってくるんです。当たり前といえば当たり前。

しかし、一度に多人数の「感情の変化」につながる知識や情報を提供するためには、講師も学び、工夫が必要です。
そんなこともあり、私は色々な人の考えに触れ、そこから学び取れるものを吸収するようにしています。
そこで次回は、スタジオジブリの鈴木プロデューサーから得た学びをご紹介しましょう。
マイルストーン 水野浩志

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「わかりやすく話す」前にやるべきこと

初めまして、水野浩志です。
私は、参加者の意識を変え、行動につながる研修やセミナーの構築・運営に取り組んできました。そうした経験が、企業内で研修、セミナー、勉強会を担当する方のお役に立てるのではないかと思い、ブログの形式で情報発信していきます。
よろしければ、ご意見やご質問も、コメント欄からお寄せくださいね。

それでは、第1回は「わかりやすく話す」前にやるべきことーをお届けします。

本ブログをお読みになる方の多くは、研修、セミナー、イベントで会社や商品・サービスについての講演等、大勢の人の前で話をする機会があることでしょう。

そうした人達の多くが悩むのは、大勢の人たちに理解してもらうためには、どうやってコンテンツを作ればいいか、ということ。コンテンツを作るために、よく手にするジャンルの本として、プレゼンテーション(以下プレゼン)関係のものがあります。

それらの本の中には、自分が伝えたいことをわかりやすく表現する方法がたくさん書かれています。これは確かにすばらしい。しかし、プレゼンがうまいという人が、必ずしもセミナーや研修、講演などでうまく結果を出せるとは限らないんですよね。

その大きな原因は何かというと、
「わかりやすく話そうとする」
という、大きな落とし穴にはまっているからなんです。
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● 話を聞く人たちの心理を探る
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わかりやすく話すことがなぜいけないのか。それをお伝えする前に、まずプレゼンとセミナー・研修・講演の違いを考えてみましょう。

いずれも、複数名の人を前にして自分の考えを述べる、という点では同じようなものだと思われるかもしれません。しかし、参加者のおかれた立場や意識に注目して考えてみると、これらはまったく違います。

まず「プレゼン」ですが、こちらは
・参加者に話を聞く目的がある
・プレゼンが終わった後は、参加者が適切な判断・行動する義務がある
・(極端に言えば)意思決定権者だけが理解・納得できればよい
と言えるのではないでしょうか。
つまり、参加者の気持ちとして、聞きたい・聞きたくないにかかわらず
◆ 話を聞いて、判断や行動を起こさなければいけない
ということが、プレゼンの場合は参加者に義務付けられているんですね。

だから、こういう人たちに対しては
◆ わかりやすく話す
ということが求められるわけです。

ところが、セミナー・研修・講演の参加者の意識は、程度の差こそありますが、上記とほぼ真反対です。つまり、
・参加者に話を聞く目的意識が(ほとんど)ない
・セミナーが終わったあとに、参加者が判断・行動する義務も無い
・参加者の一部だけでなく、全員に理解・納得してもらう必要がある
というわけです。

ここで参加者の気持ちになって考えていただきたいのですが、もしあなたが聞きたくも無い、と思っている話をわかりやすく話されたとして、果たして十分に理解・納得できるでしょうか?

それ以前に、聴く耳すら持たない、という状態になることが当たり前なのではないかと思います。
つまり、わかりやすく話す前に、
★ 話しを聞きたいという気持ちを作る
ことがとても重要なわけです。

例えば、今私が
「ナスティテルメス・シロアリの生態について、わかりやすくお話させていただきます」
と言ったら、果たしてあなたは聞きたいと思うでしょうか?

よっぽどのシロアリ好きしか、興味を持って聞いてみようとは思わないでしょう。

しかし、
「100年以上生きる虫がいるって知ってますか?」
「体長10センチ以上のアリがいるってご存知ですか?」
と言えば、多くの人が

「なにそれ? ちょっと知りたい」
と思うでしょう。

こうやって、参加者の興味・好奇心を、自分の話したい内容に向けていくというステップが、セミナー・研修・講演には必要になるのです。

わかりやすく話す、というのは、この気持ちを向けるステップを十分にやりきった後のこと、というわけですね。参加者は、伝え手である私たちが想像する以上に話を聞こうという意識を持っていないものです。これは、あなた自身が参加者の立場になったときのことを思い返してみれば明らかだと思います。

だからこそ、「聴きたい!」と思わせるような気持ちのベクトル作りが大事なんです。
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今回のまとめ

わかりやすく話す前に、聴きたい!と思われる気持ち作りをしよう!

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実は私も、セミナーの仕事を始めるにあたっては、プレゼン関係の本を読んで勉強しました。しかし、それだけでは、参加者の成果や結果につながるセミナーにはならなかったんですよね。

元々私は「悪習慣の改善」をテーマにセミナーを実施していました。
このセミナーは、知識を持ち帰っていただくことが目的ではなく、「悪習慣を改善する」という結果が求められるんですね。

例えば、〔禁煙したい〕と思って参加してくださった方に、

「いやあ、先生、(スーッ)
今日は本当にすばらしい話を聞かせてくださって(プハァー)
ありがとうございました! (トントン)」

と、セミナー後、タバコを吸いながら言われたら、それはもうダメなわけです。
それでも、最初のうちは一生懸命わかりやすいセミナーを作り、結果が思うように出ないことに悩みました。

そんな中で試行錯誤していくうちに、自分の伝えたい話を、
★ 参加者が心から納得し、行動してもらう方法
を、少しづつ見つけていったのです。

今回お伝えしたのは、その中の一部でありますが、まずはこの点だけでも認識を改めることで、ずいぶんと話し方、伝え方が違ってくるんじゃないかと思います。是非取り入れてみてください。

なお、企業内で社内講師やインストラクターをされる方を対象に、参加者の成果や結果につながる「伝え方」のセミナーを来月(2月3日)に東京で開催します。

ご興味ある方は、サイトの方をご覧くださいね。

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※本ブログは、株式会社マイルストーン 水野浩志氏発行の『1日3分トーク術』より転載しております。